日本HPは、サーバやネットワーク、ストレージなどのインフラシステムを統合管理するための「HP OneView」をリリースした。管理ツールのアーキテクチャを10年ぶりに刷新したという。
日本ヒューレット・パッカードは11月20日、ITインフラ統合管理ツールの新製品となる「HP OneView」をリリースした。サーバやネットワーク、ストレージとファシリティなどの運用管理を「自働化」できるとしている。
新製品は、従来の管理ツールの中核であったHP System Insight Managerなどのアーキテクチャを10年ぶりに刷新し、ITインフラ全体の統合管理を可能にしたという。
同日の製品発表でエンタープライズサーバ製品部長の中井大武氏は、新ツールの特徴について(1)簡潔に確認できるWebサイトライクな管理画面、(2)テンプレート活用による確実かつ迅速な作業の実現、(3)業界標準のインタフェースの採用と仮想化管理ツールやREST APIのフルサポート――の3点挙げた。
(1)では「管理者もWebサイトを利用する機会の多いことからHPのWebサイトデザインを取り入れ、必要な情報を簡潔に提供できるようにした」という。(2)ではサーバやストレージ、OS、ネットワークに関する設定のテンプレートを提供し、ブレードのエンクロジャーについても一括で設定できる。同社がESXクラスタの構築で640台のサーバに60種類のプロファイルを利用して検証したところ、作業時間は従来の16分の1となる約170分で完了したという。
(3)ではOpenStackなどのクラウド基盤ソフトとの連携やVMware、Red Hat、Microsoftなどの仮想化管理ツールとの連携が考慮され、例えばVMware vCenterとの連携では仮想・物理環境の統合管理を可能にするとしている。
今回はバージョン1としてリリースされ、HP BladeSystemやProLiantサーバの第7世代および第8世代に対応する。特にHP BladeSystemでは一般的なラックサーバで運用する場合に比べて、3年間にかかるTCOを約42%削減できると説明する。今後はHP製品を中心にサポート可能な機器を拡充していく。
HPサーバー製品統括本部 プロダクトマーケティング本部長の宮本義敬氏によれば、同社ではこれまでもサーバの導入・展開の自動化や、詳細管理を可能にするためのチップへの管理機能の組み込み、障害対応における分析サポートサービスなど、自動化を推進してきたという。「今回はハードの統合的な管理を可能にする。他社でもいろんな統合管理を提供しているが、HPとしてはハードウェアベンダーだからできるもの、例えば、ファームウェア管理などの面に長けている」と説明した。
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