HP、10年ぶりに刷新した統合型インフラ管理ツールの新製品を発表

日本HPは、サーバやネットワーク、ストレージなどのインフラシステムを統合管理するための「HP OneView」をリリースした。管理ツールのアーキテクチャを10年ぶりに刷新したという。

» 2013年11月20日 12時17分 公開
[ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは11月20日、ITインフラ統合管理ツールの新製品となる「HP OneView」をリリースした。サーバやネットワーク、ストレージとファシリティなどの運用管理を「自働化」できるとしている。

 新製品は、従来の管理ツールの中核であったHP System Insight Managerなどのアーキテクチャを10年ぶりに刷新し、ITインフラ全体の統合管理を可能にしたという。

 同日の製品発表でエンタープライズサーバ製品部長の中井大武氏は、新ツールの特徴について(1)簡潔に確認できるWebサイトライクな管理画面、(2)テンプレート活用による確実かつ迅速な作業の実現、(3)業界標準のインタフェースの採用と仮想化管理ツールやREST APIのフルサポート――の3点挙げた。

 (1)では「管理者もWebサイトを利用する機会の多いことからHPのWebサイトデザインを取り入れ、必要な情報を簡潔に提供できるようにした」という。(2)ではサーバやストレージ、OS、ネットワークに関する設定のテンプレートを提供し、ブレードのエンクロジャーについても一括で設定できる。同社がESXクラスタの構築で640台のサーバに60種類のプロファイルを利用して検証したところ、作業時間は従来の16分の1となる約170分で完了したという。

管理画面の一例。ファシリティ管理ではラック内部の構成や各機器の状態などのビジュアルに表現する

 (3)ではOpenStackなどのクラウド基盤ソフトとの連携やVMware、Red Hat、Microsoftなどの仮想化管理ツールとの連携が考慮され、例えばVMware vCenterとの連携では仮想・物理環境の統合管理を可能にするとしている。

 今回はバージョン1としてリリースされ、HP BladeSystemやProLiantサーバの第7世代および第8世代に対応する。特にHP BladeSystemでは一般的なラックサーバで運用する場合に比べて、3年間にかかるTCOを約42%削減できると説明する。今後はHP製品を中心にサポート可能な機器を拡充していく。

 HPサーバー製品統括本部 プロダクトマーケティング本部長の宮本義敬氏によれば、同社ではこれまでもサーバの導入・展開の自動化や、詳細管理を可能にするためのチップへの管理機能の組み込み、障害対応における分析サポートサービスなど、自動化を推進してきたという。「今回はハードの統合的な管理を可能にする。他社でもいろんな統合管理を提供しているが、HPとしてはハードウェアベンダーだからできるもの、例えば、ファームウェア管理などの面に長けている」と説明した。

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