日本型データ活用企業になるには? 2018年までのロードマップ

データ分析のビジネスへの活用が注目される中、NRIが示したロードマップには「日本型」というキーワードが登場している。

» 2013年11月22日 13時42分 公開
[ITmedia]

 データ分析のビジネス活用動向がどのように進展するか――野村総合研究所(NRI)は11月22日、2018年までの「データ分析のビジネス活用」ロードマップを公表した。そこでは「日本型」というキーワードが多数登場している。

 ロードマップでは2013〜2014年度を「データ活用の黎明期」、2015〜2016年度を「社内の一部門の活動から、全社的なデータガバナンスへの発展期」、2017年度以降を「戦略的なデータ活用の普及期」の3つのフェーズに分けて、各フェーズで企業における動向が予測されている。

 2013〜2014年度の第1フェーズは、日本型データサイエンティストが活躍し始めるという。現時点で企業のデータ活用は試行段階だが、一部企業の個別プロジェクトで成功事例が登場し、「日本型データサイエンティスト」の必要性が認識され始めた。日本型データサイエンティストとは、単にデータ分析スキルを持つだけでなく、ビジネスの現場で課題解決に向けた仮説を立ててデータ分析によって検証し、「事業部門に実行を働きかけていく、現場力を持った存在だとしている。

 第2フェーズでは既に米国企業などで誕生している「最高データ責任者(CDO)」や「最高分析責任者(CAO)」の役職が日本企業で登場していく。この時期には成功事例が出始めるとみられ、データガバナンスのためにCDOやCAOが必要とされ、全社的なデータの管理や分析、展開が進んでいくとみられる。

 2017年度以降の第3フェーズは、第2フェーズまでに構築されたデータ分析・活用のための基盤を活用し、ネット上や実世界のさまざまなデータの分析・実証が進むという。自社データと外部データを組み合わせる取り組みも本格化していき、既存の業務改善の延長では無い新しい施策を展開するといったデータの戦略的活用が可能になっていくという。

データ分析のビジネス活用動向に関するロードマップ(出典:NRI)

 データ分析とビジネス活用は、これまで米国企業のモデルが指標の1つになってきたが、国内での取り組みも広がり始めている昨今、NRIの予測によれば「日本型」という国内のビジネス環境に即した進展にこれからの注目が集まりそうだ。

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