もしあなたが「ガラパゴス社員」だという自覚があるのなら、いずれはリストラの脅威にさらされることになるだろう。そうならないためには、どんなチカラを身に付ければいいのか。
前回の記事「世間から必要とされない“ガラパゴス社員”になっていないか?」では、ある営業マンの悲劇を紹介し、企業にはびこる「ガラパゴス社員」の実態をお伝えした。
こうしたガラパゴス社員は、会社経営が厳しくなったときにリストラの格好のターゲットとなる。その一方で、ガラパゴスにいながらも、それを自覚し、常に外界との交流を忘れない「アドバンス社員」は、会社から「辞めないでくれ!」と言われるほどの人材であり、このアドバンス社員を目指すべきだとお話した。
今回は、アドバンス社員が備えているべき7つのポイントを紹介する。
いきなりだが、アドバンス社員になるにはどうしたらいいのか。その条件は実に多い。詳しくは拙著『フリーで働く前に! 読む本』に書いているが、今回は、中でもIT業界で働く人たちに意識してほしい要素を以下の7つに絞り込んでみた。
(1)一芸名人になる
(2)文章表現力を高める
(3)問題解決力を磨く
(4)会社の看板を使わずに仕事をしてみる
(5)工数で勝負しない
(6)宣言を徹底する
(7)ひとりセカンドオピニオン
一芸名人とは、「尖る」こととイコールである。自分の個のチカラを高め、究極まで研ぎ澄ますこと。そこが重要で、これは会社の看板を使わずに仕事することにも直結する。もちろん尖りに尖っているわけだから、工数で勝負しなくともちゃんと評価をしてくれる相手がいるということなのだ。
そして、それを大きく内外に宣言すること。そのためには文章表現力が不可欠になってくる。また、いつも「ほかに答えはないのか?」と自分に問うセカンドオピニオンが大事だし、それが結果、高い問題解決力につながるのだ。
世の中には、○○の専門家とか、△△△をやらせたら右に出る者がいない、という呼び方をされるプロが数多く存在する。あなたの会社にも、この分野なら彼だ、このテーマなら彼女の独擅場だ、という人がいるかもしれない。
前回登場したYNさんも、FAXDMを駆使して新規クライアントを開発するノウハウを徹底して磨いた。もちろん、何でも過不足なくこなすゼネラリストも必要だろう。だが、考えてほしい。仮に転職を目指す場合、どこの企業にもゼネラリストは存在する。一方で、ある部分のスペシャリストは欠けている場合が多い。「お! ウチの弱いところを埋めてくれそうな存在だ!」――採用側がそう感じるからこそ、良い条件を提示してでもほしくなるわけだ。拙書に登場するフリーランスも皆、一芸を磨き評価を得ている人たちなので、ぜひ参考にしてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.