大企業と中堅・中小企業のIT投資は格差が広がる――IDCが予測

IDC Japanは、国内IT市場における2013年上半期の分析と2013年〜2017年の規模予測を発表した。

» 2014年01月07日 14時15分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanが1月7日に発表した「国内IT市場 産業分野別 企業規模別 2013年上半期の実績と2013年〜2017年の予測」によると、大企業(従業員1000人以上)の2013年IT支出は回復傾向にあり、前年比成長率1.2%となった。しかし、SMB(中堅中小企業/従業員999人以下)では、前年比成長率0.2%にとどまっており、企業規模の大小で回復に差が生じていることが明らかになった。なお2013年IT支出額は、大企業は6兆5523億円、SMBは3兆5328億円。

 IDCは、企業規模別でみた2014年のIT支出の予測として、投資額、投資の内容の両面において企業規模間格差が開いていく可能性が高いとしている。同社はその根拠として、現在の国内景気の回復傾向が主に金融緩和政策や円安によるものであり、こうした外部要因の恩恵を受ける企業とそうでない企業との差が、そのままIT投資における企業規模間格差につながるからだとしている。

IDC 国内IT市場 企業規模別支出額予測:2011年〜2013年(出典:IDC Japan)

 また、大企業はクラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術など第3のプラットフォームによるITソリューションに積極的な傾向が出ているとしており、企業規模が小さくなるにつれて、資金不足、人材不足がIT投資を阻む傾向にあるという。

 IDCでは、今回発表したリポートを踏まえ、SMBにはIT投資を阻む要因を克服するソリューションが必要だとし、「ITベンダーは、企業規模別に置かれている環境の違いを十分に考慮した提案活動をしていくべきである」(IDC Japan ITスペンディング シニアマーケットアナリストの福田馨氏)とコメントしている。

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