Windows 8.1は、GUIでOSを新規インストールする時に、デフォルトではMicrosoftアカウントを使用するようになっている(OSインストール時にスクリプトを用意すれば、プロダクトキーなどの様々な入力をサイレントで行える)。ただ、企業においてMicrosoftアカウントをそのまま利用することはいろいろと問題になるだろう。
そこで、OSインストール時にはローカルアカウントを作成し、その後Active Directory(AD)に登録されたアカウントを利用できる。ADアカウントにMicrosoftアカウントを紐づけることも可能だ。もし企業でMicrosoftアカウントを許可していれば、クラウドストレージのSkyDriveなどのサービスも利用できる。なお、こうしたサービスはコンシューマ向けではセキュリティ上の問題を懸念することもあるだろう。企業で利用する場合はセキュリティ性や管理性の高いOffice 365サービスなどを利用するべきだろう。
Windows XPからの移行を考えると、企業ではデスクトップなどのUIがあまり変わらないWindows 7を選択しがちだ。しかし、実際にWindows 8.1を使ってみると、従来のWindowsとは少しUIが異なるが、ほとんどの場合はWindows 7などのデスクトップと同じ使い勝手で利用できる。
ユーザーにとって大きな違和感を与えるのが、Windows 8.1のタイルを配したUIのスタート画面(Modern UI)だろう。しかし、Windows 8.1では、ログイン直後にデスクトップ画面を表示するオプションが追加された。これにより、普段の業務でデスクトップ画面しか利用しないというのなら、Windows 7とほとんど変わらない使い勝手になる。
ただ、Windows 8.1ではスタートボタンをクリックしても、従来型のスタートメニューが表示されないので、ユーザーが起動したいアプリケーションを探すのはやや面倒だ。そこで、デスクトップにショートカットを作っておけば、ほとんど作業はここから行えるようになる。
このようなことを考慮すれば、XPなどからの移行先OSとしては、Windows 7でもWindows 8.1でも大きく変わらないし、デバイスでタブレット利用などを検討しているなら、現時点としてはWindows 8.1への移行が推奨される。
今後、Windows Vistaのサポートが2017年4月11日に終了し、Windows 7も2020年1月14日にサポート終了を迎える。これからは、デスクトップアプリケーションからModernアプリへの移行が進んでいくようになるとみると、実はModernアプリを利用できないWindows 7は、企業にとって重荷になってしまうかもしれない。こういった状況を想定しておくと、むしろWindows 8.1を採用していくべきだろう。
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