NTT、クラウドへの集中処理を分散する「エッジコンピューティング構想」発表

構想を具体化する新技術として、通信の遅延を大幅に短縮する「分散型Web実行プラットフォーム」を開発した。

» 2014年01月23日 18時56分 公開
[ITmedia]

 NTTは1月23日、クラウドコンピューティング環境に集中する処理を分散させることで、負荷の軽減や応答速度の向上などを実現するという「エッジコンピューティング構想」を発表した。これを具体化する新技術「分散型Web実行プラットフォーム」を開発した。

 エッジコンピューティング構想は、非常に短い時間での処理や大量のデータを効率的な処理を可能にする技術の実現を目的に策定したもの。現在はこうした処理をデータセンターなどに集中させているため、処理の負荷が高まったり、応答時間が長引くなどの課題があった。処理の一部を「エッジコンピュータ」に分散することで課題を解決することで、企業の新規ビジネスや技術開発などへの貢献が期待されるという。

「エッジコンピューティング構想」のイメージ

 開発された分散型Web実行プラットフォームは、PCやスマートフォンで実行していたWebアプリケーションを、ユーザーの近くにある「エッジコンピュータ」で実行できるようにする。これによって、端末の性能に左右されることなくアプリケーションの処理を高速化でき、データセンターでの集中処理などの場合に比べ、通信の遅延を最大100分の1に短縮できるとしている。

「分散型Web実行プラットフォーム」のイメージ

 NTTは、2014年度からこの技術による事業展開を開始し、新技術の開発などにも着手する。また、海外の通信業者やクラウドサービス事業者との協業化も図っていくという。

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