自治体を強みや課題を見える化する富士通のツール、宮城県七ヶ宿町で実証

富士通研究所と富士通総研は、地域活性化の視点から自治体の特性を評価するツールを開発した。宮城県七ヶ宿町の協力を得て、同町の特性を実際に評価している。

» 2014年02月28日 13時07分 公開
[ITmedia]

 富士通研究所と富士通総研は2月28日、自治体の特性を「見える化」する評価ツールを業界で初めて開発したと発表した。宮城県七ヶ宿町がこの評価ツールの実証に協力し、地域活性化で参考となる環境や経済、社会の状況を見える化した。

開発した評価ツール

 2社が開発した評価ツールは、環境・経済・社会の3つの地域活性化ポリシーから50の評価項目を設定し、政府統計など1200項目以上の公開データを利用して、人口や産業構造などの地域属性から、類型化した自治体間での相対評価までを行えるようにする。これによって自治体の強みや課題を視覚的に理解しやすくなるという。

50の評価項目

 七ヶ宿町の協力による実証で、同町は森林に恵まれ、ダム湖など豊富な環境資源を有し、産業構造や人口構造が類似する他の自治体と比較して、財政力の高さや健全な行政運営が達成されていることも分かった。また、下水道普及率も高く、ダム湖の水資源を大切にするために社会インフラが整備されていることが判明したという。

宮城県七ヶ宿町様の評価結果

 2社によれば、従来の一般的な評価ツールでは環境性能やインフラ機能などを対象に、定量評価を行うものだった。しかし今後は、自治体の持続可能性を含めた検討の際に、山間地域や人口、工業地帯といった地域属性を考慮して包括的な評価を行うことが求められるとしている。

 なお富士通総研は、七ヶ宿町との実証結果から同町における地域活性化施策として、「森と水の体験プロジェクト」や「林業・バイオマス・太陽光による活性化プロジェクト」を提案したという。

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