分散コンピューティングの研究者、レスリー・ランポート氏がチューリング賞を受賞

Microsoft Researchの研究者、レスリー・ランポート氏(73)が、分散/並列システムの理論と実践への貢献を評され、2013年のチューリング賞を受賞する。

» 2014年03月19日 15時42分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米国計算機学会(ACM)は3月18日(現地時間)、2013年のA.M. Turing賞を、米Microsoftの研究所、Microsoft Researchのレスリー・ランポート博士(73)に授与すると発表した。同氏の分散/並列システムの理論と実践への貢献を表彰するとしている。

 チューリング賞は1966年から続いている歴史のある賞。英国のアラン・M・チューリング博士の名を冠したこの賞の受賞者には、米Intelと米Googleの協賛により、25万ドルが与えられる。これまで、マウス考案者のダグラス・エンゲルバート氏やインターネットの先駆者、ヴィント・サーフ氏とロバート・カーン氏などが受賞している。

 turing レスリー・ランポート氏

 ランポート氏は、時相論理・フォールトトレランス・分散コンピューティングの研究で知られる他、組版処理システムLaTeXの開発者としても有名だ。米GoogleやMicrosoftの検索エンジンが採用する「Paxos」というアルゴリズムも同氏の研究成果。

 ランポート氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)卒業後、ブランダイス大学で数学の博士号を取得し、SRI International、DECを経て2001年にMicrosoft Research入りした。同氏はMicrosoft Researchで5人目のチューリング賞受賞者になる。

 turing 2 2009年の受賞者で同僚のチャールズ・P・タッカー氏(左)と

 チューリング賞の授与式は6月21日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催される予定だ。

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