Windows 8.1

Microsoftが展開する「Rapid Release」との付き合い方さよならWindows XP、そしてWindows 8.1(2/3 ページ)

» 2014年03月27日 08時00分 公開
[山本雅史,ITmedia]

Rapid Releaseは怖くない?

 実は、Rapid Releaseの兆候がWindows 7のリリース後から現れていた。当初は年1回のアップデートといったコンセプトでは無かったが、それまで4年ほどかけていたOSのメジャーアップデートのサイクルを短くしていこうとしていた。ただしWindows 7までは、新機能をメジャーアップデートしたOSに採用するという方針だった。

 しかし前項で述べたように、OSのアップデートに3〜4年かけるようでは、大きく変化するIT環境にWindows OSが取り残されていく。そこで、アップデートの頻度を上げるRapid ReleaseがWindows 8から採用され、2013年にはWindows 8.1がリリースされたというわけだ。

 Windows 8.1は、OSの内部としては「Win RT(Modern UIが利用するAPI群)」に新しい機能が追加されたり、グラフィックドライバーをWDDM1.3にアップデートしたりしている。一般ユーザーに分かりやすいUI部分としては、Windows 8で無くなったスタートボタンを戻したり、ログイン後に直接デスクトップUIを表示するようにしたり(Modern UIのスタート画面をログイン時に表示しない)している。Modern UIのチャームに表示される設定項目も増やした。

 ある意味、Windows 8.1で追加された多くの機能は、ユーザーからの意見を反映してWindows 7のUI機能に戻るようなものだったといえる。ただ、多くユーザーが期待したようにWindows XPやVistaのスタートボタンが戻ってきたわけではない(Rapid Releaseでは細かな改良も取り込んでいくということだろう)。

 そこで、Windows 8.1の次のアップデートと言われている「Windows 8.1 Spring 2014 Update(仮称)」ではもう少しWindows 7のスタートメニューの機能が取り込まれると噂されている。このあたりは、4月に米国・サンフランシスコで開催される「Build 2014」で解説されるとみられる。リリースに関しては、Build後の数週間でアップデートが提供されるといわれている。

 Rapid ReleaseではModern アプリやデスクトップアプリケーションへ影響を及ぼさないようになっているようだ。実際、Windows 8からWindows 8.1にアップデートしても、ほとんどModern アプリやデスクトップアプリケーションは、ほとんど動作した。

 このようなことを考えると、Rapid Releaseで提供されるOSはメジャーアップデートのOSではなく、SPプラスαとして考えた方がいいようだ。企業はメジャーアップデートOSのように、詳細なテストを繰り返してから導入するといったことではなく、もう少しテストの内容を省いてもいいと思われる。企業で利用しているメジャーなアプリケーションやModern アプリなどが動作すれば問題なければ、採用しても問題はなさそうである。

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