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» 2014年03月31日 08時00分 UPDATE

日産自動車が始めた「ビッグデータビジネス」の狙い (1/3)

日産は2013年、電気自動車「リーフ」の走行情報を外部企業向けに販売する事業をスタートした。同社にとって初となるビッグデータビジネスの狙いとは――。

[本宮学,ITmedia]
photo リーフ

 自社を取り巻く多種・多様なデータを分析し、ビジネスの強化や顧客サービスの向上につなげる――そんなビッグデータ活用に取り組む企業が増えつつある。中でも、データを使って従来とは全く異なる新ビジネスを始めた企業のひとつが日産自動車だ。

 同社は2013年、電気自動車「リーフ」のプローブ情報(走行データ、位置情報など)を外部企業に販売する事業を開始。現在、損害保険ジャパンがこのデータを活用し、走行距離に応じて保険料が変わる独自の自動車保険「ドラログ」を提供している。

 「データを外部企業に販売するのは当社にとって初めての試みだった」と話すのは、日産自動車でEV(電気自動車)関連の新ビジネス開発を手掛ける山下淳さん。同社がビッグデータビジネスを手掛けるにいたった経緯とその狙いを聞いた。

きっかけは「リーフの保険料が高かった」から

 日産が“世界初の量産型電気自動車”としてリーフを発売したのは2010年のこと。同社の「ティーダ」などと同様のコンパクトカースタイルで一般家庭での普及を目指したものの、発売直後に次のような課題に直面したという。

photo 山下さん(日産自動車 ゼロエミッション企画本部 EVビジネス アシスタントマネージャー)

 「リーフの自動車保険料はわれわれメーカーから見ても相当高かった。新しく投入したばかりのクルマであり、車両価格が比較的高かったことも相まって、車両サイズやターゲット層に反して保険料率がかなり高めに設定されてしまっていた」(山下さん)

 自動車保険料は、損害保険料率算出機構という第三者機関が算定した基準値によって決められる。その算出基準はさまざまだが、発売間もない電気自動車であるリーフは割高な保険料率が設定されていたという。「ティーダの保険料は平均で年間7〜8万円だったのに対し、リーフは平均10万円超。高級車として位置付けている『フーガ』と同等かそれより高いくらいだった」

 一般家庭が利用できる電気自動車を目指してリーフを発売したにもかかわらず、保険料の高さが普及の妨げになってしまっている――こうした課題に対して同社が着目したのが、リーフから取得できる膨大な量のデータだった。

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