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» 2014年04月03日 08時00分 UPDATE

トップインタビュー:ITソリューション企業の地位確立に向けた3つの戦略 デル・郡社長 (1/2)

昨年秋に非公開企業になったデル。今年は「ゲームチェンジ」をテーマに、ソリューションプロバイダーとしての存在感を増していきたい考えだ。デル日本法人の郡信一郎社長に具体的な取り組みを聞いた。

[伏見学,ITmedia]

世界最大のスタートアップ企業に

――2013年は「逆襲」をテーマに掲げていました。1年を振り返っていかがでしょうか。

デルの郡信一郎社長 デルの郡信一郎社長

 昨年はチャレンジ精神を強く持つことを改めて意識するよう、逆襲という言葉を用いました。なぜこのタイミングでチャレンジ精神なのかというと、昨年10月に当社が非公開企業になったことが大きくかかわっています。非上場化にあたり米DellのCEOであるマイケル・デルが社内に向けてアナウンスしたのが、「Dellは世界最大のスタートアップ企業になった」ということです。スタートアップの解釈はさまざまですが、私はいろいろなものに挑んでいくチャレンジャーという存在だと思っています。

 結果として、日本における市場シェアを大きく増やすことにつながり、単に精神論ではなく、ある程度の実績を出せたことに達成感を持っています。

 こうした成果を挙げることができた背景には、組織変革によるところも大きいです。創業以来、Dellはコンシューマーや大企業など顧客のタイプ別にビジネスをすみ分けていましたが、それを製品およびソリューションごとの組織に変えました。これによって、顧客のニーズに対し、それを製品カットでどう満たしていくかという視点を付け加えることが可能になりました。それぞれの製品の市場における位置付け、競争力、競合製品との比較などの観点で、今まで以上に製品戦略を強めています。実際に案件を見ても、ハードウェア製品単体ではなく、いくつかのソリューションを組み合わせたようなプロジェクトが増えてきたことを実感しています。

――一方で、反省点はありますか。

 数年前からDellはソリューションプロバイダーへの変革を進めています。広告代理店が実施したある認知度調査においても、一昨年、昨年と、当社がITソリューションプロバイダーであるという認知が高まっていますし、私自身が企業を訪問しても、Dellがソリューションプロバイダーであるということを知らないという顧客はほとんどいなくなりました。

 ただし、次のステップとして、Dellのソリューションが一番だと顧客に言ってもらうようにしなければなりません。これを推進することが今年以降の課題だと考えています。

3つの戦略でソリューション事業を拡大

――次のステップに進み、ソリューションプロバイダーとしてナンバーワンになるために、具体的にどのようなことに取り組んでいくのでしょうか。

 それに向けて今期は3つの戦略を掲げています。1つ目は、ストレージソリューションを継続して事業の柱にしていくことです。特に昨年リリースしたオールフラッシュのストレージソリューションを積極的に提案していきます。オールフラッシュに関しては、他社も製品提供していますが、Dellの強みは、ストレージを管理するソフトウェア技術の高さによって、従来のディスクタイプのストレージの価格に近い形で提供できる点です。今までのストレージ製品への予算で、集積率もI/O速度も数倍になるよな高パフォーマンスを実現します。

 2つ目は、ITセキュリティです。日本企業のCIO(最高情報責任者)の方々とお話しすると、ほぼ全員がITセキュリティの重要性を語ります。そうした要求に対して、DellはITセキュリティサービス「DELL SecureWorks」を昨年から日本市場でも提供しています。既に30社ほどのユーザーを獲得し、米国以外のリージョンで最も急成長しています。それに伴い、人員も積極的に増やしているところです。

 日本企業は品質に世界一厳しいと感じており、ITセキュリティにおいても最高レベルのものを求めています。そうした中、Dellは全世界で3000社以上の顧客のセキュリティ状況を管理していて、24時間365日、ウイルスアタックを監視しています。軽微なものを含めると、1日に150億件以上のアタックがあるのです。これらを迅速に分析し、顧客に対していち早く対策を提供している点が、品質を重視する日本企業に評価されているのではないでしょうか。

 3つ目は、パートナービジネスです。もはやDellは直販ビジネスだけではありません。日本での昨年実績を見ると、法人向け売り上げのうち、3割はパートナー販売経由です。これを速やかに5割に持っていき、直販/パートナー販売が両輪となるように人材の投入を強化しています。十数年にわたって直販ビジネスを担当してきた役員をパートナー事業のトップに据えたのも一例です。

 ただ、決して直販ビジネスを減らすのではなく、直販を伸ばしながらも、それよりも速いペースでパートナービジネスを成長させることで、比率を半々にしていこうという考えです。日本のような成熟した市場においては、パートナーからIT機器を調達することが心地良いと感じる企業も多く、顧客の立場に合わせて、望まれる形で提供することが肝要だと思います。また実際に、直販だけではリーチできない顧客がいるのも事実です。

――リーチしたい顧客とは具体的に?

 特にこのセグメントだという限定はしていません。なぜならば、さまざまな製品や分野を平均するとデルの日本での市場シェアは15%〜20%ほどで、8割以上の企業にはまだリーチできていないからです。地域や規模を絞るのではなく、いろいろな顧客にリーチしていきたいと考えています。ただし、直販ビジネスとの競合は避けたいので、今まさにルール作りをしているところです。

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