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» 2014年05月08日 08時00分 UPDATE

目指すは社会のイノベーション:「インフラ×IT」で中東諸国の課題解決に挑む日立 (1/4)

テレビCMなどでも目にすることが多くなった「スマートシティ 」。電気やガス、あるいは交通といった社会インフラ全般をITによる制御で最適化し、テクノロジーによる利便性を享受しながらも自然を損なわない環境づくりを目指す考え方だ。もちろん日本国内に限る取り組みではない。遠く離れた中東地域でも、日の丸を背負って社会の変革に挑戦する人びとがいる。

[石森将文,ITmedia]

 「スマホ」という呼び方は、ここ数年ですっかり定着したと言っていい。アラフォーの記者自身はまだ、「ケータイ」という呼称に馴染みがあるが、スマホ以外にも「スマート○×」というキーワードを目にすることが多くなった。

 スマートウォッチ、スマートカー、スマートハウスなど例を挙げればキリがないが、共通して言えることは、いずれも生活に密着したものの機能や付加価値をITによって高めたものであり、それらの上位概念として「スマートシティ」と呼ぶこともある。

 我々の社会を、ITによってより快適にする――日立製作所(日立)の社会イノベーション事業は、まさにスマートシティを実現するためのアプローチだ。

 同社ではその中期計画の成長の礎として社会イノベーション事業を位置付けており、当然対象とするマーケットは日本には限らない。特に、産業化とそれに伴う人口増が進む新興国が、今後インフラを整備していくに当たっては、ITによる制御は不可欠である。

 なかでも湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council:GCC)を構成するアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの6カ国は経済の規模も大きい。当然日立も、社会イノベーション事業の有望なマーケットとして熱い視線を向けている。

dubaimall.jpg 発展著しい中東地域。写真のドバイモールは世界最大のショッピングモールだ

社会イノベーション事業が中東地域に求められる理由

 いわゆる「アラブの春」以降、湾岸各国は国家体制の安定を強く意識している。そのための最も直接的な政策が、バラマキだ。各国によって差はあるが、教育費、医療費、そして住居費などは基本無料。UAEでは大卒公務員の初任給が月100万円と言われており、勤続20年ほどで年給の受給資格も発生するのが一般的だ。

 しかし湾岸諸国で最も多いおよそ2900万人以上の人口を有するサウジアラビアでは、それにも限界がある。国家予算のおよそ25%がバラマキに割かれ、かつ産業の裾野が狭い(オイル産業の比率が極端に高い)ため、若年層の失業率増加も顕在化しつつあるという分析もある。

 日立が社会イノベーション事業と定義する事業を同地域で進めれば、スマートシティ化による効果はもちろん、“ポストオイル”となる産業構造の広がりも期待できる。省エネ化は電力の自国消費を抑制でき、より多くのオイルをマネタイズに回せる。ひいては地域・国家の安定にもつながると考えられる。

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