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» 2014年06月11日 10時00分 UPDATE

Stratus Always-On World 2014 レポート:クラウドやIoTを支える高信頼基盤、実現の秘策はソフトウェアにあり!

モバイルやクラウドに代表される「第3のプラットフォーム」が台頭し、あらゆるモノがネットワークを介して接続する「Internet of Things(IoT)」の世界も目前に迫る。それらを支えるシステム基盤の“究極”の高信頼性を実現すべく、ストラタステクノロジーは「Software Defined Availability」構想を掲げる。この構想に基づく新フォールトレラント(FT)ソリューション「everRun Enterprise」が国内で初めて披露された。

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 日本ストラタステクノロジーは、5月15日に開催した主催セミナー「Stratus Always-On World 2014」において、同社が掲げる「Software Defined Availability(SDA、ソフトウェア制御による可用性)」構想に基づく新ソフトウェアソリューション「Stratus everRun Enterprise」を国内初披露した。everRun Enterpriseによってどのような価値が提供されるのか――注目セッションの内容をレポートする。

新プラットフォーム成功のカギは「無停止」

会場 数多くの来場者で賑わった「Stratus Always-On World 2014」会場

 ストラタスは1980年の創業から、ハードウェアベースをはじめする無停止型ソリューションを30年以上にわたって提供し続けているメーカーだ。「LIFE ON THE EDGE 〜高信頼システムが支える日常生活〜」と題したセッションでは、Stratus Technologies 副社長 兼 マーケティング統括責任者(Vice President & Chief Marketing Officer)のナイジェル・ダッソー(Nigel Dessau)氏により、同社が提唱する「Software Defined Availability」が実現する世界と、ソフトウェアベースの新FTソリューション「everRun Enterprise」が提供する価値について紹介された。

 ITの世界ではクラウドやモバイル、ソーシャル、ビッグデータに代表される「第3のプラットフォーム」が台頭し、企業ではこの潮流をビジネスに活用しようとする動きが加速している。さらに、あらゆる「モノ・コト」がネットワークを介してつながる「Internet of Things(IoT)」の世界も目前に迫ってきた。こうした状況から予想されるのが、「エッジコンピューティング」の本格化である。

 エッジコンピューティングとは、従来のようにアプリケーションやデータ、サービスを集中型のノード(センター)で処理するだけでなく、ユーザーやデータの発生源に近い場所(エッジ)でも処理することをいう。ダッソー氏はエッジコンピューティングがもたらすメリットに(1)ユーザーの近くにデータが移動、(2)ローカルでのデータ処理に伴うトラフィックや遅延の低減化、(3)クラウドなどのサービスとのシームレスな統合――の3つを挙げる。

 エッジコンピューティングの重要性が高まれば、当然ながらエッジ側のシステム基盤にもセンターと同様に極めて高い信頼性や安定性が要求されるのは言うまでもない。

 現在、システム基盤の領域ではサーバやネットワークの仮想化など「Software Defined xxxx〜ソフトウェア定義」による制御技術が登場している。これは第3のプラットフォームやIoTの活用で求められる要件のスピードがあまりに速く、ハードウェアベースの従来型のアプローチでは間に合わないからだ。ソフトウェア技術を利用することで、システムの構築や変更が容易になり、柔軟性も高まる。

 ハードウェアではサーバを中心にコモディディ化、低価格化が進んだことで運用スタイルが変化しつつある。例えば、センター側では大量のサーバを短期間で使い切るという流れが生じている一方、エッジ側では必要な規模のサーバをセンター側に比べて長い期間運用するという具合だ。

 これからのシステム基盤では、エッジでもセンターでも最高クラスの信頼性や可用性が求められると同時に、さまざまに異なるハードウェアなどの運用スタイルに対応しなくてはならない。ストラタスがソフトウェアベースのソリューションを展開するのは、「第3のプラットフォーム」やIoTの世界を支えるシステム基盤に「無停止」という極めて高いレベルの信頼性を、柔軟に提供するためである。

SDAがもたらす価値

 ストラタスの無停止型ソリューションが実現している99.999%の連続可用性は、年間のダウンタイムに換算すると、わずか5.25分だ。一般的なクラウドサービスの可用性99.9%は同8.76時間、従来のクラスタシステムの可用性99.95%でも同4.38時間であり、ストラタスの水準が極めて高いものであることが分かる。その価値をソフトウェアで提供するのがeverRun Enterpriseである。

ダッソー氏 Stratus Technologies 副社長 兼 マーケティング統括責任者 ナイジェル・ダッソー氏

 ダッソー氏が挙げたeverRun Enterpriseの特徴は「柔軟性」「容易さ」「信頼」の3点。柔軟性とは、これまでの同社が提供し続けてきたソリューションと同様に、アプリケーションを修正することなく様々な場所へ展開できること。容易さとは、専門知識を必要とせずに高い可用性を実現できること。そして、信頼とは同社の30年以上にわたる実績である。同氏はeverRun Enterpriseをこのように表現している。

「英国ホンダに就職した私の知人は、『ホンダの心臓とは“エンジン”である』と語ってくれた。ホンダのすばらしいエンジンは二輪や四輪などのさまざまな製品を支える基盤になっている。everRun Enterpriseは当社にとっての“エンジン”だ」

 everRun Enterpriseはストラタスの掲げるSDAを提供するエンタープライズ向けソフトウェアFT製品だ。SDAによって、(1)シンプルさと柔軟性の両立、(2)ワークロードに応じた可用性レベルの提供、(3)要件に変化に適用するクラウド管理の自動化――が可能になるという。

 ストラタスでは2014年末に、SDAに基づくクラウドソリューション「Stratus CLOUD Solutions」も提供する計画だ。このソリューションはオープンソースのクラウド基盤として企業やサービス事業者で採用が急増しているOpenStackに対応する。クラウドの世界に同社の比類なき高い信頼性がもたらされることになりそうだ。

everRun Enterpriseの仕組み

 それではeverRun Enterpriseの仕組みや適用領域について、日本ストラタステクノロジー 執行役員 ソフトウェアビジネス開発室長兼マーケティング本部長 本多章郎氏の講演からひも解いてみたい。

本多氏 日本ストラタステクノロジー 執行役員 ソフトウェアビジネス開発室長兼マーケティング本部長 本多章郎氏

 everRun Enterpriseは、同社の既存ソフトウェア製品で容易な操作性を特徴とする「Stratus Avance」と、堅牢性・柔軟性が特徴の「everRun MX」を融合し、市場ニーズも加味して開発された新世代のフォールトレランス(FT)ソフトウェアである。

 システム構成は2台のx86サーバを基本とし、一般的なクラスタシステムにみられる外部共有ディスクは必要としない。KVMのハイパーバイザも組み込まれ、インストール作業はサーバ1台につき30分未満だ。ゲストOSにWindowsとLinuxを利用できる。GUIベースの管理画面からシンプルな運用管理が行え、仮想マシンごとに可用性レベルを選択可能である。

 アーキテクチャをみると、まず個々の仮想マシンは「Protected VM」として保護対象になり、ネットワークレベルでは2台のサーバ間が「アベイラビリティリンク」によって接続される。

 上述したように、everRun Enterpriseでは仮想マシンごとに可用性レベルを設定できる。まず「FTモード」と呼ばれる最高レベルではプライマリとセカンダリのそれぞれのサーバで稼働する仮想マシンのメモリも同期され、サーバ内ディスクへの書き込みも同じタイミングで実行される。万一に片方のサーバで仮想マシンが停止しても、正常なもう一方の仮想マシンは継続して稼働しているため、ダウンタイムは発生しない。これが99.999%の可用性を実現させるストラタスの高信頼性技術である。

 また、高い可用性を確保しながら、より多くの仮想マシンを構築したいという場合は、「HAモード」を選択する。FTモードの違いはメモリ同期を行わないことで、HAモードでは可用性を実現するためのリソースを抑えることができる。それ以外の可用性を実現するアーキテクチャは同じだ。

 例えばHAモードでサーバの内蔵ディスクに何らかの障害が発生しても、アベイラビリティリンクを経由してもう一方のサーバのディスクに書き込みが行われるため、ダウンタイムは生じない。業務で利用しているLANへの接続ポイントで障害が起きても、同様にアベイラビリティリンク経由で正常な方のサーバからLANに接続できる。仮想マシン自体が停止した場合には、もう一方のサーバの仮想マシンへ切り替えるため、フェールオーバーが発生する。

 everRun Enterpriseにはこうした基本機能のほかに、さまざまなオプションが用意されている。例えば、「SplitSite」では2台のサーバを地理的に離して設置し(最長5キロまで)、離れたサイト間でアプリケーションの連続可用性を担保し、データ損失を回避する。「Disaster Recovery」では、遠隔サイトにもサーバ(最小1台から)を用意し、災害によって起こり得る損害リスクを大幅に軽減することが可能だ。また、「Application Monitoring」により、システムの簡素化、高速処理、そしてパフォーマンスの最適化も支援する。

 本多氏によれば、everRun Enterpriseはコスト面でもその他の可用性ソリューションのアーキテクチャと比べて多くのメリットを提供するという。

 例えば、スタンバイ型のシステムでは初期費用がeverRun Enterpriseよりも安価だ。しかし、切り替え作業ができる技術者を待機させるための人件費の問題や、許容されるダウンタイム内に現地に駆け、復旧ができるかどうかも不安が残る。クラスタシステムでは共有ディスクやネットワーク機器(ファイバチャンネルが一般的)など周辺装置の購入だけでなく、システムの構築や設定にもコストが発生するため、everRun Enterpriseよりも高額になる。複数台のサーバの内蔵ディスクを活用する仮想共有ディスク型では、データの可用性は担保されるが、アプリケーションについては別途クラスタソリューションが必要となり、高度な構築・運用スキルが必須になるため、誰もが利用できるソリューションとは言い難い。

SDAで広がる「高信頼」の世界

 everRun Enterpriseの適用領域として期待されるのは、通信サーバやアプリケーションサーバ、データベースから仮想化/クラウドのシステム基盤まで実に幅広い。

 本多氏によれば、例えば流通分野ではEDIシステムの無停止を実現すると同時に、店舗や取引先などから提供されるビッグデータなどの活用にも貢献する。製造業では本社や工場のSCADAシステムの無停止運用により、安定したビジネス基盤を実現してくれる。

 さらに、クラウド環境における可用性の向上にも大きく貢献すると期待される。社内のオンプレミス環境と外部の複数のクラウドサービス間を中継するゲートウェイサーバに適用することで、通信が切断されるといった万一のリスクを回避したり、シングルサインオン認証における安定稼働をサポートする。また、ネットワーク仮想化技術として注目されるSDN(Software Defined Networking)のコントローラではクラウドサービスの屋台骨となる仮想ネットワークの可用性を飛躍的に高めてくれそうだ。

 高信頼のシステム基盤をソフトウェアソリューションによって柔軟に幅広く実現できるのは、まさに「無停止」の価値を長年提供し続けてきたストラタスだからこそといえる。本格化するクラウド、そして、間もなく訪れるIoT時代に向けて、everRun Enterpriseは注目される存在になるのは間違いないだろう。

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提供:日本ストラタステクノロジー株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2014年7月10日