業務での大容量データ活用は日常的 ただしメール貼付での転送に課題ありITmedia エンタープライズ読者調査

ITmedia エンタープライズと日立製作所は、企業におけるデータ転送についての実態調査を実施した。

» 2014年07月03日 10時05分 公開
[ITmedia]

 ITmedia エンタープライズと日立製作所はこのたび、企業におけるデータ転送についての読者調査を実施した。調査によると、回答者全体の8割以上が業務における大容量データの転送を日常的に行っていることが分かった。また、最も使われているデータ転送方法は、電子メールへのファイル添付であるという結果となった。

調査概要

  • 目的:企業のデータ転送に関する実態の分析、考察
  • 調査方法:Webによるアンケート
  • 調査期間:2014年3月7日から3月16日
  • 有効回答数:329件

半数が電子メールで大容量データをやり取り

 データ転送の現状と課題について、業務で大容量(目安として1メガバイト以上)のデータ転送を行っているかを聞いたところ、回答者全体の38.6%が「日常的に行っている」、同45.3%が「たまに行うことがある」と答えており、現在の企業の業務環境では大容量データ転送が日常化していることが分かった。転送する大容量データの内容に関しては、全体の79.1%が「Excel/PowerPointなどのオフィス書類」を挙げており、以下、「音声・画像・動画データ」(32.5%)、「バックアップデータ」(29.4%)と続いた。

<strong>図1</strong> 業務で転送する大容量データの内容 図1 業務で転送する大容量データの内容

 大容量データの転送先は、「自社の国内拠点」(69.5%)や「国内の取引先」(48.9%)が上位に挙がり、国内でのデータのやり取りが大部分を占める。また、転送方法に関しては、全体の半数(50.3%)が「電子メールの添付ファイルで送信」と回答したほか、「オンラインストレージでのファイル共有」は23.6%、「無料ファイル転送サービス利用」が8.7%、「CDなど物理媒体にコピーし搬送」が5.3%、「有償ファイル転送サービス利用」が5.0%となった。

 一方、データ転送における課題について、「ファイルサイズの制限により、メールで送受信できないことがある」が61.1%と最も多く、以下、「機密情報のやり取りが多く、情報漏えいが心配」(39.2%)、「ファイル分割による送受信は、手間がかかり業務効率を低下させる」(32.8%)と続いた。ただし、そうした課題の緊急度に関しては、「すみやかに解決すべき」が17.4%、「なるべく早く解決した方がよい」が34.8%と、緊急度はそこまで高くないという。

データ転送ツールの導入・運用コストを懸念

 データ転送に対するIT投資状況はどうか。「すでに投資している」との回答は15.6%、「投資計画が決まっている」が7.1%と、データ転送ソリューションが具体的な投資対象になっている企業はまだ少数であることが分かった。

 企業向けのデータ転送ツールに関しては、最も認知度が高いのがセゾン情報システムズの「HULFT」で61.1%、次に日立製作所の「JP1/Data Highway」が48.5%、NRIセキュアテクノロジーズの「クリプト便」が26.3%となった。

<strong>図2</strong>データ転送ツール導入時の重視点 図2データ転送ツール導入時の重視点

 データ転送ツールの導入時に重視する点について、最も大きかったのは「導入・運用コスト」(76.4%)で、以下、「運用管理しやすいこと」(62.4%)、「暗号化などのセキュリティ強度」(57.1%)となった。

回答者プロフィール

<strong>図3</strong> 回答者プロフィール(有効回答数:329件) 図3 回答者プロフィール(有効回答数:329件)

より詳しい調査結果を知りたい方はこちらをご覧ください(PDF)。


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