「コンタクトセンター専業としてのイメージを変える」 ジェネシス・田中新社長

ジェネシス・ジャパンが事業戦略説明会を開催。先月社長に就任したばかりの田中良幸氏は、今後のビジネス成長に向けて、「カスタマーエクスペリエンス」の視点に立ったさらなる領域拡大が必要と語った。

» 2014年07月03日 17時30分 公開
[伏見学,ITmedia]

 コンタクトセンター向けソリューション大手のジェネシス・ジャパンは7月2日、記者およびアナリスト向けに事業戦略発表会を開催した。6月1日付けで新社長に就任した田中良幸氏が前年度の振り返りと今後の展望について説明した。

ジェネシス・ジャパンの田中良幸社長 ジェネシス・ジャパンの田中良幸社長

 2013年度の売り上げは、グローバル全体で7.4億ドル強(前年比約20%増)と好調だ。世界80カ国、4500社以上のユーザー企業のうち、280社以上を新規で獲得した。APAC(アジア太平洋地域)のユーザー企業は700社を超えた。

 日本においても順調で、2014年はこの半年間で既に売り上げ目標を達成したという。「米国本社からはさらに売り上げを倍々にするようにプレッシャーを受けているが、実際まだ日本は成長の余地が大きい」と田中氏は意気込む。

 一方で、今後さらにビジネスを伸ばしていくためには、「コンタクトセンターベンダーとしてのイメージを変えるべき」と田中氏は強調する。つまり、従来のようにCTI(Computer Telephony Integration)をはじめコールセンターに特化した製品やソリューションだけでなく、あらゆる面において企業とその顧客とをつなぐ役割をジェネシスが持たなくてはならないという。例えば、オムニチャネルやソーシャルメディアなどの領域も当てはまる。このように、顧客とのすべてのタッチポイントとチャネルを管理することが、優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)の実現につながるというのが同社の考えだ。

IBM Watsonとの連携

 このための包括的なソリューションとして同社が用意するのが、プラットフォーム基盤「Genesys Customer Experience Platform」である。この上に、セルフサービスやイン/アウトバウンド、バックオフィス、IVR(自動応答装置)などのコンタクトセンターおよびカスタマーサービス向け機能が搭載されるイメージだ。

 このプラットフォームを強化すべく新たに発表されたのが、IBMの人工知能システム「IBM Watson」との連携ソリューションである。具体的には、顧客企業およびその顧客のデータを迅速に分析することで、高度な顧客サービスを支援する「IBM Watson Engagement Advisor」とGenesys Customer Experience Platformを組み合わせた学習システムを共同開発する。これによって、企業の顧客サービスエージェントは、消費者にデータ主導型の回答を迅速に提供するほか、モバイル、チャット、オンラインインタラクションなどを通して消費者に直接対応できるようになるという。

 また、Watsonが持つ高速なデータ検索機能によって、エージェントは問い合わせに対してより迅速かつ実用的な回答を提供することが可能になる。

 現在、Watson自体は日本語対応していないため、対応の進ちょくに合わせて日本市場でのソリューション展開を進めていく方針である。

 ※変更履歴:初出時に「売上高740億ドル」とありましたが、正しくは「売上高7.4億ドル」となります。記事を訂正いたしますとともに、お詫び申し上げます。(2014/7/4 14:46)

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