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» 2014年07月08日 07時30分 UPDATE

HP World Tour Report:HPのサーバ、ストレージ、クラウド幹部に聞くITインフラ戦略 (1/2)

サーバのコモディティ化などを背景にハードウェアビジネスを縮小させるITベンダーが相次ぐ中、米HPはむしろこれを好機ととらえているようだ。同社のサーバ、ストレージ、クラウドの各担当幹部にITインフラの方向性など聞く。

[國谷武史,ITmedia]

 米Hewlett-Packardは、7月2〜3日にインド・ムンバイでアジア太平洋地域向けのカンファレンスで、「New Style of IT」をテーマに新製品やITインフラ領域を中心とする方向性を発表した。サーバ、ストレージ、クラウドの担当幹部に、同社のハードウェアビジネスや今後の展望などを聞いた。

IBMのx86サーバ事業売却は好機

 2014年1月に米IBMは、x86サーバ事業を中国のLenovoに売却すると発表した。まずこの動きについて、HPサーバー担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのスティーブン・ボヴィス氏は「HPにとって非常にポジティブな出来事だ」と語る。

 LenovoはIBMから買収したPC事業で、2013年にHPからトップシェアを奪った。だがボヴィス氏は、「PC市場と(x86サーバ)は違う」と強調し、IBMのx86ユーザーをHPが獲得できる絶好のチャンスになるとの見方を示す。

 「エンタープライズシステムは非常に複雑であり、ユーザーの多様なサポートニーズに応えられることが必要だ。HPには何十年にもわたってx86市場でシェア上位を走り続けてきた実績と経験がある。中堅・中小企業向けからオンプレミス、プライベート/パブリッククラウド、ハイパフォーマンス(HPC)まで広大なポートフォリオもある」

hp0401.jpg HPサーバー担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのスティーブン・ボヴィス氏

 近年のx86サーバはコモディティ化、低価格化によってサーバベンダーの収益を圧迫しているとされ、Lenovoはむしろ価格戦略によってPCと同じように市場を席巻するのではないかという見方がIT業界内では強い。ボヴィス氏は、価格競争に巻き込まれることなく製品ラインアップやサポートを含めた総合力でx86市場における同社の存在感を高めたいとの考えであるようだ。

 また、HPは4月30日に台湾のFoxconn(鴻海科技集団)とサービスプロバイダー向けのサーバ製品の開発・製造で協業することを発表した。ここではTCOの低さやスケール、サービス、サポートを特徴とする新サーバを開発していくとし、サービスプロバイダーでも導入が多いProLiantシリーズやMooshotサーバを補完する。

 協業についてボヴィス氏は、「サービスプロバイダーのワークロードに注目した戦略的な提携であり、HPの強みである設計・開発やプリセールス、Foxconnの強みであるサプライチェーンや製造と生かすことのできる関係」と説明する。ターゲットとなる顧客はクラウドサービスなどを提供する大規模なプロバイダーであり、HPでは日本を含む10社程度の獲得を見込んでいる。

 近年はデータセンターやホスティング需要の高まりを背景に、サービスプロバイダーからこうしたワークロードに耐える効率性や電力消費、省スペース、コストメリットに優れたサーバが強く求められてきたという。ただ、Foxconnのような電子機器受託生産(EMS)ベンダーによる自社開発では技術ノウハウなどに限界があり、今回の提携によって大量の物理サーバが必要とされるサービスプロバイダー向け市場でもHPの存在感を高めていく狙いがあるようだ。

 この他に、カンファレンスではHPC向けに完全水冷システムを初めて採用した「HP Apollo」シリーズを発表している。日本市場に限れば、約1年後に迫ったWindows Server 2003のサポート終了に伴うサーバのリプレース需要が期待されるとしている。

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