MobileIron、モバイル管理のクラウドサービスを国内提供

モバイル端末やアプリ、ファイルなどのコンテンツを統合管理できる企業向けクラウドサービスを国内のデータセンターから提供する。

» 2014年07月22日 16時31分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 米MobileIronは7月22日、企業向けのクラウド型モバイル管理サービス「MobileIron Cloud」を国内提供すると発表した。モバイル端末やアプリケーション、ファイルなどのコンテンツを一元的に管理できるのが特徴という。

 新サービスは「エンタープライズモビリティマネジメント(EMM)」と呼ばれるソリューション。端末設定やセキュリティ対策、アプリケーションの配布や更新、ファイルの利用や共有、従業員向けのセルフポータルといった、業務でモバイル機器を活用する上で求められる管理機能を網羅する。日本語に対応している。

MobileIron Cloudのサービスイメージ(左)と提供機能

 同社では新サービスを北米、欧州、日本のデータセンターから提供する予定。同社北アジア・日本地区セールス担当バイスプレジデントの柳下幹生氏は、「新サービスの提供基盤はクラウド向けに新たに開発したもの。すぐにサービス利用を始められる手軽さや数万台の端末利用に耐える拡張性、サービスを中断しない可用性を実現している」と説明した。

 新サービスは同社代理店経由で順次提供される予定となっている。

ボブ・ティンカー会長兼CEO

 サービス発表に合わせて来日した会長兼CEOのボブ・ティンカー氏は、「多くのユーザー企業がモバイルの戦略的な活用に取り組んでおり、従来のMDM(モバイル端末管理)だけでは不十分。これからはEMMが求められる」と表明した。

 同社は世界で6000社以上の顧客を獲得しており、6月12日には米Nasdaqに上場するなど急成長を続けている。近年はSAPやVMware、IBMなどが次々に専業ベンダーを買収してEMM分野に参入しており、MobileIronは数少ないEMM専業ベンダーとなった。

 こうした状況についてティンカー氏は、「当社は2008年からこの分野に特化して成長を継続しており、様々な商材を手掛ける競合とは異なる(ベンダー)中立性が顧客から支持されている。モバイル業界の急速な発展ぶりにも専業ベンダーだからこそキャッチアップしていける」とコメントした。

 サービス発表会には、国内ベンダーのMDMサービスからMobileIronに切り替えたという自動車販売のガリバーインターナショナルも登壇した。同社ITチームの坂口直樹氏は、「社内で2500台のiPadを運用しており、自社開発アプリも7〜8種類ほどある。2013年のiOS 7リリースの際、端末やアプリケーションの運用や管理でリリース即日に対応したのはMobileIronのみだった」とコメント。他社のモバイル管理製品やサービスは、OSのバージョンアップへの対応に時間がかかるが、MobileIronの対応の速さが採用の決め手になったとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ