非構造化データ分析でヘルプデスクを強化、HPとアシストがSaaS提供

HPはSaaS型のITサービス管理ソリューション「HP Service Anywhere」にデータ分析による品質向上機能を追加し、アシストが販売を開始する。

» 2014年08月01日 16時54分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードとアシストは8月1日、ITILのベストプラクティスに基づくSaaS型ITサービス管理ソリューション「HP Service Anywhere」のバージョンアップ版の販売を開始した。

 HP Service Anywhereは、オンプレミス型製品「HP Service Manager software」をベースに、日本HPが2013年春からSaaSで提供している。今回のバージョンアップでは大量の非構造化データのインデックス化などができる技術を活用し、問い合わせ対応の効率化やサービス品質の向上を図る機能を強化したという。

 HPソフトウェア事業統括ITマネジメント統括本部長の村瀬将思氏は、「ITサービスデスクには問題解決に役立つ知識やデータが豊富に蓄積されているが、検索や問い合わせなどで瞬時にほしい解決が得られないというケースは多い。ビッグデータ分析技術がITサービスの最適化に役立つ」と語った。

ビッグデータ分析技術でユーザーの問い合わせに提示する回答内容の精度を向上できるという

 Opsプリセールス部コンサルタントの竹澤拡子氏によると、ビッグデータ分析技術を利用して、例えば「FAQ検索」でユーザーの問い合わせ内容に合致する解決策の候補を自動的に提案できる。情報システム部やヘルプデスクの担当者が実際に対応する前に解決できる機会が増え、問い合わせ件数の削減や対応時間の短縮、問い合わせ1件あたりの対応品質の向上といった効果が期待されるという。

 また、問い合わせや検索などのキーワードのトレンドなどを解析して提示している解決策の内容を充実化させることや、サービスの利用状況をリアルタイムに分析することもできる。

分析技術を活用してヘルプデスクの担当者が対応内容の改善も図れるという

 アシストは1年をかけてHP Service Anywhereを検証し、今回のバージョンアップからサービス販売と1次サポート、カスタマイズ支援などを行うことを決めた。税別販売価格は「Named」(固定ユーザー)の1年版が17万9000円から、「Floating」(同時ユーザー)の1年版が35万9000円から。今後はテスト工程管理や負荷テストのSaaSも提供するという。

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