THKが「グローバル会計システム」を構築 着手から1年で稼働

THKはSAP HANAとIBMのテンプレートを活用する「グローバル会計システム」を構築した。

» 2014年08月25日 18時23分 公開
[ITmedia]

 産業機械メーカーのTHKは、7月から新しいグローバル会計システムの稼働を開始した。同社と構築に携わった日本IBM、SAPジャパンが8月25日に発表した。構築開始から1年での短期稼働を実現している。

 同システムは、THKがグローバル展開を進めるための経営基盤を支え、グローバル会計業務の根幹となるもの。同社は2016年度に連結売上高2500億円を目標として掲げており、同システムは業務ルール、会計業務プロセス、決算期などをグローバルで共通化した会計システムとして強固な経営基盤の確立の実現を支える。IFRS対応といった法令や改正への柔軟な対応や決算早期化、ガバナンスや業務の標準化、集約化によるコスト削減を迅速に進めていく方針だ。

 新システムではSAPのインメモリプラットフォーム「SAP HANA」上で稼働する「SAP Business Suite powered by SAP HANA」が採用された。国内システムで同製品が本番稼働するのは初という。また、IBMのグローバル会計統合専用テンプレート「IBM Express Solution for Global Accounting」も同時に採用。SAP HANAに対応する製品で、言語や文化、法規制、商慣習、社会、インフラといった各国固有要件に対応するための知見とひな形が用意されており、プロセス、機能、データの標準化してグローバルで統一された会計システムを実現するとしている。

 THKは、ERPシステムに十分な性能と製品間の親和性、強固な耐障害性を求めていた。インメモリ技術による高速性、SAP Business Suiteとの緊密な親和性、耐障時の高い復旧性能を兼ねそろえる今回の構成が最適と判断した。SAP HANAの高可用性を生かして、システムダウン時にフェイルオーバー機能で待機系のSAP HANAへ自動的にスイッチする。THKではこの機能に加えて、データセンター自体の障害に備えたSAP HANAのディザスタリカバリ機能も採用。地理的に東西500キロ以上離れたデータセンター間でソフトウェアによるシステム同期を実現させている。

 同システムは一般会計、債権回収、債務支払、固定資産、単体決算、予算管理などを対象業務とし、2015年度中までに世界21カ国・地域に展開する予定だという。

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