ニフティクラウドを企業向けに拡大 「AWSと比較検討される」

ニフティが企業ユーザー獲得を目標に、サーバ、ネットワーク、監視などのサービスニューを強化する。

» 2014年09月04日 15時58分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ニフティは9月4日、パブリックIaaSサービス「ニフティクラウド」で企業向けにサービスメニューを強化すると発表した。サーバ、ネットワーク、監視などの新メニューを同日から順次提供していく。

 まず、サーバサービスでは従来タイプの価格の約3分の1から半分程度で利用できるという14種類の「Type-e」を10月1日に追加する。提供スペックは1vCPU・メモリ512Mバイト〜8Gバイト/2vCPU・メモリ2〜16Gバイト/4vCPU・メモリ4〜32Gバイトメモリで、税別利用は月額モデルが2210〜3万8000円、従量モデルが1時間あたり4〜66円。スケールアップ・ダウンなどに柔軟に対応し、24時間の電話サポートや自動フェイルオーバー機能なども無償利用できる。

従来メニューはエンタテインメント企業ユーザー向けのハイスペックタイプが中心だったものの、より使いやすいスペックを拡充する

 ネットワークサービスではレイヤ2でオンプレミスとニフティクラウド間をVPN接続する「VPNゲートウェイ」機能や、プライベートLAN間のルーティング、DHCPによるアドレスの払い出しができる「ルータ」、VLAN機能を11月から提供する。この他に同社スタッフによる24時間体制の有人監視サービスを9月4日から開始した。

 またビットアイルと新たに協業し、5社目となる「ニフティクラウド OEM版」の提供を開始する。ビットアイルが10月1日から販売を開始する予定で、ビットアイルのデータセンターとニフティクラウドを組み合わせたハイブリッドクラウド環境を構築できるようになる。

 会見したクラウド事業部長の上野貴也氏によると、ニフティクラウドのユーザーはオンラインゲーム事業者などエンタテインメント業界が中心だったものの、直近では受注ベースの67%がエンタテインメント業界以外の企業を占める状況。今回のサービス強化は、多くの企業に利用しやすい環境の提供を目指したものだという。販売の約60%がパートナー経由であることからも「最近ではAmazon Web Servicesと一緒に比較検討して選んでいただけるシーンも広がっており、パートナーと連携してユーザーの拡大を目指したい」と話す。

会見する三竹社長(左)と上野クラウド事業部長

 ニフティクラウドのサービス基盤はVMwareベースで構築されているが、ここ数年では外資系のIaaSサービスを中心にOpenStackの採用が広がる。同社も「以前から調査研究を続けている。適切なタイミングでのOpenStack陣営への参加も検討している」(上野氏)という。

 代表取締役社長の三竹兼司氏は、今後のクラウド事業について「ISP事業やWebサービス事業を含めた垂直統合型によるサービスとパートナーとの協業によってどれだけ顧客に付加価値を提供できるかが肝心」と述べた。

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