iPhone 6は企業で使えるか? 導入前にチェックしたいあれやこれ(2/3 ページ)

» 2014年09月19日 10時10分 公開
[山本雅史,ITmedia]

アプリの社内配布をどうする

 メールやブラウザなどでiPhone/iPadを利用するぐらいなら、ほとんど標準の設定で利用できるが、iPhone/iPadのメリットを生かすにはアプリ開発が求められる。

 ここで大きな問題になるのが、社内のモバイルデバイス環境がiPhone/iPadだけなのかということだ。専用アプリを開発する際、iPhone/iPad以外にAndroidやWindowsタブレットなどもあるなら、それぞれに対応したアプリも開発しないといけない。特にAndroidは、機種によってOSのバージョンや画面サイズなど異なるため、市場に出ている全てのAndroidデバイスに対応されるには、膨大なコストがかかる。iPhone/iPadでも、今までに複数の製品が販売されているので、全ての機種に対応するには、大きな開発コストがかかる。こういったことを考えると、対応する機種を限定していく必要があるだろう。

 そして、もう一つ重要なのは社内専用のアプリを開発しても、アプリ自体をAppleのApp StoreやAndroidのGoogle Playなど一般ユーザーが利用する場所で公開できないことだ。やはり、社内のサーバ上に専用のアプリポータルが必要になる。

 iPhone/iPadでは社内専用の配付証明書が利用できるため、専用アプリを作り、社内専用の配付証明書で証明して、社内の特定URLに保存しておく。このURLでメールやSMSなどを使ってユーザーに通知して、ダウンロードしてもらえば、社内専用アプリを配付できる。サードパーティ製のアプリ配付ポータルなどを利用すれば、iPhone/iPad、Android、Windowsタブレットなどを含めてアプリを配付することもできる。

 Appleでも社内のWebサイトを使ってアプリを配付する方法などを紹介しているが、App StoreのアプリのようにアップデートのアラートがiPhone/iPadの画面には表示されない。このため、各ユーザーに新しいアプリのインストールを通知するか、サードパーティ製のアプリ配付システムを導入する必要がある。

 アプリのアップデートに関連して、OSのアップデートをどう管理するということも出てくる。iPhone/iPadでは、Appleが一括して新しいOSやアップデートを提供している。このため、ユーザーが各自のデバイスで自由にアップデートできる(メーカーや通信事業者などからアップデートが提供されていればAndroidなども同じ)。

 もし、ユーザーが勝手にOSのアップデートをすると、専用アプリが動作しなくなる可能性もある。iPhone/iPadでは一度新しいOSにアップデートすると、古いOSに戻すことが非常に難しい。また、企業としては新しいOS上で開発したアプリが動作するかを検証した後に、社員のデバイスのOSをアップデートしたいと考える。実はこのあたりをコントロールする機能が、現状ではiPhone/iPadにおいてサポートされていない。

AppleではiPhone/iPadを積極的に企業で利用してもらうため、企業向けのアプリ開発や配付のやり方などを解説している(同)
iPhone/iPadではアプリを企業内で配付できるようにする配付証明書を利用できる。これを使えば、社内サーバでアプリ配付ができる(同)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ