日本医師会、治験に関する文書原本の電子化対応を開始IT導入・活用事例ニュース

「カット・ドゥ・スクエア」サービスでの電子媒体による原本管理が可能になり、保管コストの削減や業務効率化などの効果を見込む。

» 2014年09月24日 13時44分 公開
[ITmedia]

 治験業務に関するクラウドサービス「カット・ドゥ・スクエア」を提供する日本医師会治験促進センターが9月29日から、電子媒体による原本管理機能の提供を始める。治験文書管理ソリューションを手掛ける富士ゼロックスが24日に発表した。

 カット・ドゥ・スクエアは2010年から提供され、製薬や医療機器会メーカー、病院や診療所、治験関連団体など約800組織が利用する無料のクラウドサービス。治験の現場では業務効率化のために紙媒体から電子媒体にシフトする動きが進んでいたが、文書の電子化では導入費用や業務プロセス、組織間での運用ルール(書式の統一など)、電子媒体管理における規制への対応などが課題になっていたという。

電子媒体による原本管理(日本医師会治験促進センター資料より)

 今回の電子媒体による原本管理では富士ゼロックスが、厚生労働省や米国食品医薬品局(FDA)の薬事系の規制に準拠して原本性の確保が必要な文書に電子署名やタイムスタンプを付与する仕組みを提供し、原本性を担保できるようにした。

 これによってカット・ドゥ・スクエアを利用する組織では電子媒体の文書を原本として管理し、紙媒体の原本を管理する必要がなくなる。紙媒体の治験関連文書を保管するコストなどの削減と、情報入力や利用者間での情報共有など治験業務の効率化につながることが期待されるとしている。

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