セキュリティソフトのこれからは? マカフィーが個人向け製品を刷新

マカフィーが2015年版個人向けセキュリティ製品を発表した。今回はモバイル向けのセキュリティ機能が強化され、インターネット接続機器が多様化していく今後を見据えた展開をかたった。

» 2014年09月30日 15時20分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 マカフィーは9月30日、10月17日に販売を開始する2015年版の個人向けセキュリティ製品群を発表した。iOSデバイス向けのセキュリティ機能が強化され、Windows向けには性能改善を図っている。

2015年版の個人向けセキュリティ製品

 2015年版が提供されるのは、生体認証技術によるクラウドストレージ機能を提供するWindows/Mac/iOS/Android向けの「リブセーフ」、統合版の「オール アクセス2015」や「トータルプロテクション 2015」「アンチウイルス プラス 2015」の5製品。

メールがあれば各端末からWebサイトにアクセスしなくてもソフトをインストールできる

 最新版では購入後に同社サイトでコードを入力するとメールが送信され、メールからWindows/Mac/iOS/Androidの各端末にソフトをインストールできるようになる。iOS向けには盗難・紛失対策機能が強化され、端末の位置検索やSOS、連絡先のバックアップ/リストアなどが可能になる。Android向けにはパスワードを使わないWi-Fiサービスへの接続時にユーザーに警告する機能が追加されている。

 Windows向けにはマルウェア検知率の改善やパフォーマンスの向上、スキャン時間の短縮化を図り、デスクトップ/ノートPCでは特に改善効果が高いという。WindowsタブレットでもInternet ExplorerでのWebページ表示などの改善が図られた。

 製品価格はリブセーフの1ユーザー1年版が8208円、オール アクセスが同9252円、トータルプロテクションの3台3年版が7180円などとなっている。

セキュリティソフトのこれからは?

 製品発表会に登壇した米McAfee チーフコンシューマセキュリティエヴァンジェリストのギャリー・デイビス氏は、個人向けセキュリティ製品では特にモバイルセキュリティ機能をユーザーに訴求していくと説明した。

 スマートフォンやタブレット端末の普及が進み、PCだけでなくモバイル機器でもセキュリティ対策の必要性が高まっているためで、個人情報など端末に保存されたユーザーのデータを盗み出す不正アプリの脅威や端末の紛失・盗難といったリスクにまで、OS環境に左右されず包括的なセキュリティ機能を提供するのが狙いだという。

 また、今回からオール アクセスの製品パッケージなどに米Intelのコーポレートカラーが採用され、Intelグループのセキュリティ会社という同社のブランドイメージを個人ユーザーにも印象づけるようにしている。これは、将来に数百億台のインターネット接続機器が普及していくという「モノのインターネット(IoT)」時代を見据えた戦略の一環となる。

 デイビス氏は、同社が8月に世界12カ国で実施した2025年のセキュリティの展望に関する調査結果を紹介。例えば、自動運転する車への期待は12カ国平均が68%、米国が60%なのに対し、日本は52%だった。冷蔵庫が買い物リストを通知してくる機能への期待でも12カ国平均が68%なのに対し、日本は43%。なお、セキュリティ機能では虹彩認証やオンラインでのID管理といった点で12カ国平均と日本の期待度に大きな違いはみられなかった。

2025年のIoT時代におけるユーザーの期待度調査の結果

 「日本ユーザーはIoTへの期待が低い一方で、セキュリティ技術への期待は世界と同水準にある。IntelとMcAfeeは共同でIoT時代に向けたセキュリティのあり方を提示していく」とデイビス氏。2社ではチップセットにセキュリティ技術を融合させる開発などを推進しており、セキュリティソフトをインストールして利用するというこれまでの形に加えて、将来は製品に組み込まれたセキュリティ技術を活用していくという新たな方向性を示した。

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