PayPal、eBayから2015年に独立へ「Apple Pay」を迎え撃つ?

eBayが、2002年に買収したオンライン決済企業のPayPalを2015年に分社化すると発表した。AmazonやAppleがモバイル決済市場に参入する中、PayPalは新CEOの下で競争にフォーカスする。

» 2014年10月01日 11時22分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米eBayは9月30日(現地時間)、2002年に買収したオンライン決済企業PayPalを分社化すると発表した。2015年下半期に完了する見込み。同日付で米American Express幹部のダン・シュルマン氏(56)がPayPalの社長に就任し、分社後は同氏がCEOを兼任する。

 eBayは分社化の理由を、産業構造の変化により、両社にとって独立することが事業戦略的にも他社との競合的にも有利になったためと説明している。eBayのジョン・ドナヒュー社長兼CEOは「eBayとPayPalは独立企業としてより鋭敏に、強力になり、それぞれの市場の主要企業として競争にフォーカスしていく」と語った。

 シュルマン社長はAmerican Express以前はAT&T、T-Mobile、Sprintなど米国の主要キャリアで幹部を歴任したモバイル畑の人物。American Expressではモバイル決済サービスの立ち上げを担当した。

 paypal ダン・シュルマン氏

 PayPalは、VCのピーター・シエル氏や現Tesla MotorsのCEO、イーロン・マスク氏など、後に“PayPal Mafia”と呼ばれる起業家らが2000年に創業した(eBayに買収された後、創業者らは同社を離れた)オンライン決済の草分け的存在。現在、前年比15%増の1億5200万人のアクティブユーザーを擁し、過去12カ月の総売上高は19%増の720億ドルと成長を続けてはいるが、米Squareの台頭や、米Appleが10月に立ち上げる「Apple Pay」などでオンライン決済市場の競争は激化している。

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