グローバル市場を狙うパイオニアVCが選んだIBM SoftLayerの魅力とは?

製造・文教市場を中心に多数の顧客を抱えるパイオニアVCは、10月にビジュアルコラボレーションの新サービス「xSync(バイシンク) Prime」をスタートさせた。同社はサービスの提供基盤にIBMのクラウド・サービス「IBM SoftLayer」を選定、ビジュアルコラボレーションという新分野でのグローバル市場でナンバーワンを目指すという。幾多のIaaSサービスの中で、IBM SoftLayerがなぜ選ばれたのだろうか。

» 2014年10月08日 10時00分 公開
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ユーザーが求めたクラウドへの対応

 パイオニアVCは9月、これまで提供してきたビジュアルコラボレーションサービス群を「xSync(バイシンク)」ブランドに統一、10月から「xSync Prime」サービスとして新たに提供を開始した。同社はxSync Primeの提供基盤に、IBMのクラウド・サービス「IBM SoftLayer」を採用している。

 パイオニアVCのビジュアルコラボレーションサービスは、「サイバーカンファレンスシステム・プライム(CCS-Prime)」の名称で2008年から提供されてきた。CCS-Primeは、遠隔地同士で映像や音声による参加者の「表情が見える」オンライン会議を可能にするだけでなく、デスクトップ画面を高精細かつリアルタイムに再現できるのが特徴。例えば、一方の参加者が電子ペンで手書きした内容は遠隔地の参加者の画面で瞬時に再現され、まるで同じ空間で協働作業をしているかのようなコラボレーションを実現する。

 こうした特徴により、CCS-Primeは製造業を中心に多数の導入実績を誇る。特に設計・開発の現場ではグローバルに点在するメーカー、サプライヤーの担当者同士が3D CAD図面などの大容量のデータを高精細なままリアルタイムに共有しながらオンラインで議論、レビューを日々行っている。当然ながら、設計・開発に関わるデータは極めて機密性の高い情報ばかりだ。CCS-Primeは、そのようなデータの安全性を確保すると同時に、会議参加者同士の円滑な協働作業を可能にするソリューションとして国内では3年連続でオンプレミス型売上シェアNo.1を獲得、高く評価されてきた。

※富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2014年版」

原氏 パイオニアVC 原清 代表取締役社長

 9月9日に都内で開催された「xSync」発表会の席上、パイオニアVCの原清代表取締役社長は、「設計図面のような極めて重要な情報を取り扱うことから、CCS-Primeではオンプレミス型のソリューションとして利用されるケースが多かった。クラウド時代の今、お客様からはセキュリティを確保しつつ、より使い勝手を高めてほしいという要望をいただいている。この声に応えるべく新たなクラウドベースのサービスとしてxSyncを展開していく」と述べた。

 CCS-Primeは、2010年からクラウド型サービスでも提供されていたが、上述のように大半のユーザーは協働作業で扱う極めて機密性の高い資料やデータのセキュリティを確保するためにオンプレミス型で運用し、拠点間の接続には決められた範囲の社内LAN(専用線)を利用していた。グローバルビジネスが日常化している設計・開発の現場では、セキュリティを確保することはできても、使いたい時にすぐに使えるという利便性を実現するのは難しいという課題を抱えていたわけだ。

 この課題の解決にクラウドサービスの活用を見出したものの、自前でグローバルにクラウドサービスを展開するには限界もあったという。

セキュリティとパフォーマンスを兼ね備えるSoftLayerに注目

 パイオニアVCが新たにxSync Primeを展開していくにあたってパートナーに選定したのが、IBMのSoftLayerである。間下浩之代表取締役副社長は、「例えばユーザーの1社であるパイオニアの場合、1日あたり約160回のオンライン会議が実施され、そのうち55%が海外拠点との間で行われている。主要ユーザーである製造業ではグローバル展開が日常化している。そうしたユーザーをきちんとサポートできるサービスとしてIBM SoftLayerを選択した」と語る。

SoftLayer IBM SoftLayerで稼働するxSyncサービスのシステム構成

 SoftLayerはIBMが2013年に買収、パブリッククラウドのIaaSサービスとして全世界で提供され、約2万5000社のユーザーを抱える。2014年1月、IBMのジニー・M・ロメッティ会長兼CEOは、クラウド分野に12億ドルを投じ、SoftLayerサービスを世界15カ国40カ所(既存の25カ所を含む)のデータセンターから提供していくことを発表した。この計画に基づき、日本国内でも2014年中にデータセンターの開設とサービス提供が予定されている。間下氏によれば、クラウドサービスに対するIBMの積極的な姿勢も選定の決め手になった。

 パイオニアVCがSoftLayerをxSync Prime Cloudサービスの提供基盤に採用した具体的なポイントは、(1)低遅延のグローバルな高速ネットワークであること、(2)要件の特性に応じて柔軟に設計ができること、(3)容易な設定と豊富なオプションによってセキュリティポリシーに合致できること――の3点。それぞれのポイントを詳しくみていこう。

 まず(1)のポイントは、IBM SoftLayerのサービスを提供する全世界のデータセンター間がトータル通信量毎秒2テラビットものバックボーンで接続されている点だ。データセンター間は最も遅延の少ない最適なルートが設定され、Tier 1の複数の通信事業者回線によって冗長化されている。

 ビジュアルコラボレーションサービスにとって広帯域の回線は文字通りの“生命線”といえる。帯域が狭ければ国内外の拠点間で共有する大容量の資料やデータ、音声や映像に大幅なズレが生じ、コラボレーションの時にユーザーが感じるストレスは図りしれない。SoftLayerの高速で信頼性に優れたネットワーク基盤は、パイオニアVCがxSyncサービスで目指すサービス品質の条件にまさに合致するものであった。

 これによって例えば、日本のメーカーが海外のサプライヤーとの間で会議を行う場合、海外のサプライヤーは従来のように日本のメーカーの用意したサーバに専用線を介して接続する必要はなく、最寄りのIBM SoftLayerのアクセスポイントに接続すれば良い。日本のサーバへ接続するための通信コストが低減されると同時に、大容量の資料やデータをストレスなく共有できるようになる。

 (2)のポイントは、世界15カ国40カ所(予定を含む)にあるIBM SoftLayerのデータセンターのどこにでもxSync Primeのサーバを容易に設置できる柔軟性だった。海外のユーザーがxSync Primeサービスを利用したい場合、サービスの提供基盤が日本のデータセンターに限定されてしまうと、ネットワーク遅延などの影響から、求めるサービス品質を享受することは難しい。

 だが、世界中のデータセンターにサーバを設置できれば、例えば米州あるいは欧州に拠点を置く日系メーカーが現地サプライヤーと、その地域内でも円滑なコミュニケーション、コラボレーションを行えるようになる。パイオニアVCは、海外のユーザーの要件に合わせてxSync Primeサービスを迅速に提供できるSoftLayerの利点を高く評価しているという。

 (3)のポイントは、パイオニアVCがCCS-Primeで実現してきた高いセキュリティレベルをxSync Primeサービスでも実現する上で重要な点となった。

 IBM SoftLayerは、一般的なIaaSサービスで提供されているコンピューティングリソースなどを共有するマルチテナント型のサービスに加えて、仮想サーバなどを専有的に利用するプライベートクラウド型のサービス、さらには、物理サーバ(ベアメタルサーバ)のコンピューティングリソースをユーザーが専有して利用できるサービスも提供している。セキュリティ要件の極めて厳しい企業ユーザーにも対応した広範なサービスメニューをラインアップしている点が特徴だ。

 特にベアメタルサーバのリソースを専有的に利用するサービスは、ユーザーがサーバを設置するSoftLayerのデータセンターを自由に選ぶことができ、サービスの申し込みから利用開始までの時間も最短30分程度から数時間以内と、極めて短い。ベアメタルサーバのリソースを利用できるIaaSサービスやホスティングサービスは幾つかあるが、通常はサーバの調達や設計、設定だけでも数週間を必要とする。IBM SoftLayerは高いセキュリティレベルとスピード感の両立が重視されるグローバルビジネスの要件に対応した数少ないサービスであり、極めて機密性の高いデータを扱うパイオニアVCの顧客にとっても、SoftLayerのベアメタルサーバでxSync Primeサービスを利用できることは、大きな安心材料となるだろう。

SoftLayer 高いパフォーマンスとセキュリティを兼ね備えたSoftLayerがグローバルなビジュアルコラボレーションを支える

 xSync Primeオンプレミスでは、IBM SoftLayerのサービス提供基盤を通じて世界中からのアクセスを可能にする。お客様の社内に設置されたxSync Pirme Serverからデータセンターまでの接続にはインターネットVPNや専用線を使用し、ユーザーの最寄りのデータセンターとの、ファイアウォール共有型もしくは専有型での接続サービスにより、セキュリティ対策の運用も柔軟に、より高速で安価なグローバルネットワーク接続を提供することができるようになる。

 また、IBM SoftLayerはサービスの透明性にも特徴があり、ユーザーは稼働中のコンピューティングリソースの状況やネットワークトラフィックの状況、ベアメタルサーバの所在などの情報を単一の管理画面から瞬時に把握できる。IBM SoftLayerでITインフラをグローバル展開している企業のIT管理者なら、世界各地のデータセンターで稼働する自社のコンピューティングリソースの状況を日本にいながらにして管理でき、ITインフラを効率よく運用していけるようになるだろう。

検証から実装まではわずか3カ月、世界No.1を目指す

 IBM SoftLayerのこうした特徴に着目したパイオニアVCは、2014年5月下旬にIBM SoftLayer上でのxSync Primeのサービス提供について検討を開始した。

 検証では香港にあるSoftLayerのデータセンターにシステムを設置、国内の複数の場所から香港に接続した。片方で操作した内容が共有する相手の画面に、ほぼリアルタイムに反映され、音声もほとんど遅延せず、映像やデータと音声がずれることなく快適に協働作業が行えることを確認した。7月にはパイオニアもテストに協力して同様の効果が認められた。9月までにサービス提供に必要な環境が整い、既にお客様への試行も開始している。検討開始からサービス提供までは実質的にわずか3カ月という短期間ぶりである。

 xSync Primeのサービス提供までのプロセスも、従来のオンプレミス型では申し込みから利用開始まで1カ月ほどかかっていたが、IBM SoftLayerベースのサービスでは1日程度を大幅に短縮されたという。SoftLayerの活用によって、xSync Primeサービスは高いセキュリティレベルとパフォーマンス、多様で柔軟性に優れたサービスメニューを兼ね備えたサービスとなった。

SoftLayer IBM SoftLayerの採用によってるxSyncサービスが大きく広がる

 パイオニアVCではxSync Primeサービスの主な想定用途として、これまでの設計・開発を中心とした協働作業に加え、国境を越えた遠隔学習の場や、災害発生時における対策本部と現場との連携、オフィス間でのオンライン会議など多様なシーンを挙げており、世界中の企業や行政機関などに新サービスを提案していく。同社の間下氏は、「ビジュアルコラボレーションにおいて世界ナンバーワンのサービスを目指したい」と語っている。

 ビジュアルコラボレーションを通じて「ものづくり」の現場を支えてきたパイオニアVCが、短期間で世界に通用する新しいサービスの提供を実現できたのは、まさにIBM SoftLayerの存在があったからだといえるだろう。グローバルにITサービスを展開したいという企業にとって、パフォーマンスと高いセキュリティレベル、そして優れた柔軟性を兼ね備えるIBM SoftLayerが有力な選択肢になるはずだ。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2014年11月7日

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