ゲームもレースもビッグデータ分析で上手くなる!?ビッグデータ解析最前線(2/2 ページ)

» 2014年10月29日 08時00分 公開
[廣瀬治郎,ITmedia]
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まもなく到来? 個人でビッグデータ分析を楽しむ世界

 「私は趣味で、カートに乗っています。週末などには、都内にあるカートコースで練習やレースを楽しみます。カートは、遊園地にあるゴーカートに似ていますが、排気量200ccのガソリンエンジンを搭載し、最高速度は時速50kmに達します。シートがとても地面に近いため、体感速度は倍から3倍にも感じられ、非常に迫力がありますよ」(古賀氏)

カートイメージ 古賀氏がよく利用するカートの仕様
古賀政純氏 GPSロガーを持ち、やや興奮しながら熱心に説明する古賀氏

 多くのプロレーサーと同様に、古賀氏もできるだけ速くコースを周回したいと考えている。そのためには、マシンのコース取りやブレーキのタイミング、アクセスの調整など、さまざまな工夫が必要だ。そこで同氏は、プロレーシングチームと同じように、自分の走行データを記録したいと考えた。

 そこで古賀氏が考えたのは、走行の様子を動画とGPSデータで記録するという手法だ。動画は、スマートフォンが軽くて便利で、データを共有しやすい。カートファンの間でも使われているアームを利用して、スマホをハンドル周りに装着した。また、GPSデータは精度の高い専門のGPSロガーを使うことにした。

カート装着イメージ 古賀氏が利用するロッキングアーム。アームは運転時の振動でスマホが脱落しないように改造を施しているという

 スマホで撮影した動画(3GP形式)とGPSログ(GPX形式、dp3形式)は、パソコン上で加工して合成した。まず、走行動画上に可視化したGPSログを合成したものを作成する。さらに分析ツールを活用して、速度の変化やコース取りをグラフ化し、練習などに役立てる。

GPSログ取得イメージ GPSロガーを利用したログの取得方法
GPSログ取得イメージ Google“My Track”を利用したログの取得方法

 「さらに、スマホのGPS機能とGoogleの『My Track』サービスを活用して、Google Maps/Google Earth上にプロットすることも試しました。最近のスマホのGPS機能はGPSロガーにも引けをとらない精度なので、航空写真に写ったコース上での動きがよく分かります。ただ、私の通っているコースは毎年レイアウトを変えるので、Google Mapsのデータでは古く、きちんと反映されていないのが唯一の欠点でしょうか」(古賀氏)

カート走行:Google MyTracks使用(2画面)
GPS GPSロガーは使用せず、スマホの「Google MyTracks」でGPSデータを取得
撮影方法 ヘルメットにスマホを固定して撮影
スマホ固定器具 「JOBY GorillaPod Action Tripod」を使用
カート追尾走行:Google MyTracks使用
GPS GPSロガーは使用せず、スマホの「Google MyTracks」でGPSデータを取得
撮影方法 ヘルメットにスマホを固定して撮影
スマホ固定器具 「JOBY GorillaPod Action Tripod」を使用
カート走行:GPSロガー使用(2画面)
GPS 身に付けたGPSロガーでGPSデータを取得
撮影方法 ヘルメットにスマホを固定して撮影
スマホ固定器具 「JOBY GorillaPod Action Tripod」を使用
カート雨天ドリフト低速走行:GPSロガー使用
GPS 身に付けたGPSロガーでGPSデータを取得
撮影方法 カートにスマホを固定して撮影。そのため振動が大きい
スマホ固定器具 「JOBY Action Clamp Locking Arm」を改造したものを使用

 動画とGPSログは、ツールを用いれば半自動的に同期を取ることができる。画像の合成については、人的な作業が必要だが、GUIで簡単に実行できるという。そうして可視化された古賀氏の走行データは、YouTubeにアップロードして楽しんでいるという。

 「個人でも、このようにデータを取得して、分析できる時代がやってきています。近い将来、個人向けの分析サービスが登場するかもしれません。私が期待しているのは、そのようなデータ解析を楽しめる世界です。ビッグデータは、人々の喜びのために使って欲しいのです」(古賀氏)

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