普及の第2フェーズに入る「iBeacon」──ACCESSに聞く、導入事例と対策のヒント(3/3 ページ)

» 2014年10月27日 15時17分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]
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ペン型センサーで農業支援、スマートグラスと組み合わせてマラソン大会などにも

photo BLEで通信する「ペン型土壌センサー」。気温や湿度といった情報を定期的に収集してスマートフォンに通知するIoTデバイスとその活用例の一環だ

 同様のアイデアの1つに「BLEペン型土壌センサー」もある。これを畑に差しておくだけで、温度や湿度など、土壌の周りの情報が定期的にクラウド上のITシステムに収集される。この情報をもとに分析し、手元のスマートフォンなどにアラートとして警告するといったITソリューション間での連携も可能だ。IT担当者としては当然、このあたりの接続性や連携性をふまえて考察する必要がある。

 また、流行りという意味では、スマートグラスへの周辺情報の配信や、マラソンランナーへのコース誘導などの事例にもiBeaconの採用が進んでいる。スマートグラスを使った実験は、2014年10月26日に開催された大阪マラソンで、一部ランナー協力のもとで行われたという。


photo ソニーの「Smart Eyeglass」へ、iBeacon通信で情報を配信する事例も。このシステムは実際に2014年10月26日に開催された大阪マラソンで実証実験が行われた
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photo 6軸センサーはかなり精密な動きが取得可能で、細かいモーションをiBeaconを通じてデバイスに送信し(通常よりもかなり細かい送信周期にカスタマイズされている)、指の動きに追随する様子を紹介するデモを行っていた。温度・湿度センサーもリアルタイムで追跡できる

 石黒CTOによれば「当然、それだけではない」という。現在導入が進められているiBeaconの事例には、例えば「屋内に複数設置されたiBeaconモジュール間をユーザーがどのように移動したかをアプリが測定し、それを行動履歴として収集し、以後のマーケティング活動に役立てる」といったような、iBeaconの第2フェーズといえるより進んだ導入計画が含まれている。その意味では、2014年末から2015年前半にかけて、「こんなこともできるのか」と思える面白い事例も登場することになりそうだ。

photo 大阪マラソン2014での、ソニーSmart EyeglassとiBeaconを組み合わせた実証実験の概要。ランナーに向けて、コース案内や現地情報などの配信をリアルタイムに行うというものだ
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