求められるIT部門と業務部門の新たなパートナーシップ 「ビジネスとITの融合」に向けた道筋とは?SoftBank Technology Forum 2014を開催

ビジネスの成長において強く期待されているのが、テクノロジーの貢献だ。しかし、クラウドやビッグデータ、アナリティクス、セキュリティといったITキーワードが、業務の現場に深く浸透しているとは残念ながら言い難い。ビジネスとITの“真の融合”は可能なのか。ソフトバンク・テクノロジーは「Mixture make innovation」をテーマに、SoftBank Technology Forum 2014を開催する。技術統括 データソリューション本部 副本部長の興梠陽介氏に“真の融合”に向けた方策とフォーラムの見どころを聞く。

» 2014年10月29日 10時00分 公開
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ビジネスに貢献するITの実現へ

 バブル経済の崩壊以降、日本経済は長らく低迷を続けてきた。だが、世界最高水準のIT社会の実現などを掲げる「アベノミクス」などを追い風に、その先行きは着実に明るさを増している。ビジネスの持続的な成長を実現すべく、多くの日本企業がグローバル化を含めた戦略的な成長投資に本腰を入れ始めた。

 特にITには、ビジネスの成長、拡大に向けた貢献が大きく期待されている。中でも企業ITの領域で注目を集めるのが、クラウドコンピューティングやビッグデータ、アナリティクス、セキュリティといったキーワードだ。ITmedia エンタープライズが2014年7月に実施した読者調査では、読者の所属する企業での課題の上位に「コスト削減」「クラウド移行」「ビッグデータ活用」「サイバー攻撃/情報漏えい対策」が挙げられている。そこから浮かび上がるのは、競合他社との競争激化を背景に、業務効率化やコスト削減といった“守り”に加え、意思決定の迅速化や高度化、ひいては売上の拡大に直結する“攻め”の手段としてIT活用に注力し始めた企業の姿だ。

 ただし現状に目を転じると、ビジネスの現場におけるITの浸透にはまだ多くの余地が残されている。このことは、「業務の分からないIT部門」と「ITの分からない業務部門」といった対立軸で捉えられることも多く、この垣根を乗り越えなくして、“真の融合”を成し遂げることは難しいだろう。

 ソフトバンク・テクノロジー(以下、SBT)は、2014年11月14日に第10回目となる「SoftBank Technology Forum 2014(以下、SBT Forum 2014)」を開催する。今年のテーマは「攻め」と「守り」のテクノロジーを融合させる「Mixture make innovation 〜テクノロジーの調和が未来のイノベーションを作り出す〜」。まさに“真の融合”に焦点をあてたイベントだ。SBT Forum 2014を通じて同社は、どのようなアプローチを提示しようとしているのか。技術統括 データソリューション本部 副本部長の興梠陽介氏に話を聞いた。

SoftBank Technology Forum 2014 〜 Mixture make innovation 〜 開催!

日時:2014年11月14日(金)、13:00〜18:00(開場 12:30)

場所:東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズフォーラム 5F(会場地図

参加費:無料(事前登録制)

主催:ソフトバンク・テクノロジー株式会社

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クラウド利用は「守り」から「攻め」へ

 SBT Forum 2014では「クラウド」「セキュリティ」「データアナリティクス」「IoT & Global」の4つの切り口から、“融合”に向けた様々なセッションが用意されている。ビジネスとITの融合において、企業はこの4テーマに関わる多様な課題を抱えていることだろう。

 まず、「クラウド」を取り巻く現状をみてみると、運用の効率化やコスト削減などの効果が認知されたことで、「守り」の策としての採用が進む。ただし、「攻め」の策については、これまで多くは語られてこなかった。だが興梠氏によると、この状況は大きく変わりつつあるようだ。

興梠氏 ソフトバンク・テクノロジー 技術統括 データソリューション本部 副本部長 興梠陽介氏

 「景気が回復基調に入ったことで、次の一手のためのクラウド活用が企業の間で新たに、しかし着実に広がりつつあります。狙いとするところは、グローバル化や環境変化への迅速な対応です。クラウド活用は『攻め』を主眼に置いた新たなステージへと確実に突入しつつあるといえるでしょう」(興梠氏)

 今年に入り、SBTにはクラウド型のコミュニケーションインフラである「Office 365」の問い合わせが急増しているという。このことは、企業を構成する「人」が組織として密に連携していくための環境を迅速に整備できるクラウドのメリットが広く認知され始めた1つの動きと言えよう。まさに「攻め」のITの典型例だ。

 こうした動きを踏まえ、SBT Forum 2014では日本マイクロソフトがOffice 365やMicrosoft Azureの今後のロードマップを紹介するとともに、SBTがOffice 365への具体的な移行法や、クラウドにおける多要素認証やアクセス制御、シングルサインオンを実現するSBT独自の「Online Service Gate」について解説する。また、Microsoft Azureによるシステムの移行例として、ロート製薬におけるCMS「Sitecore」の移行事例も紹介される予定だ。

 「ロート製薬様のクラウド移行で当社は、基盤整備・運用からコンテンツ管理・配信プラットフォームの構築までを一貫して担当しています。これまで個別に運用していたWebサイトやコンテンツが統一化され、今後はWebサイトを通じたブランディングや顧客満足度の向上に注力される予定です。この事例を通じて、マーケティングとITの融合に向けた姿の一端を垣間見ることができるでしょう」(興梠氏)

侵入前提のセキュリティ対策で費用対効果を最大化

 次の「セキュリティ」は、今では経営上の最重要課題に位置付けられている。企業ではこれまで多様な防御技術が導入されてきたものの、新たなリスクが日々出現する現状では対策予算の捻出に頭を悩ませる企業は多い。また上述のクラウドに関連して、データ保護の観点からクラウドのセキュリティがしばし課題に挙げられる。

 このことを踏まえてSBTでは「脅威の侵入を前提としたセキュリティ対策」を提案する。

 「セキュリティ対策の予算を幾ら費やしても、外部からの脅威の侵入を完全に防ぐことは極めて困難です。であるならば、万一侵入を許したとしても、被害が発生する可能性を極小化するアプローチの方が、費用対効果の最大化の観点からは圧倒的に優れているでしょう。クラウドによってシステムの複雑性が増したとしても、このアプローチなら対策コストを抑えられます」(興梠氏)

 このアプローチにおけるSBTの強みが、セキュリティ分野での幅広い企業との協業だ。例えば、その1社であるマカフィーは膨大な脅威に関する情報と分析を基に不審な通信を監視する次世代型のネットワークIPS「McAfee Network Platform」を提供。同製品を通じた「出口対策」によって、不正侵入後の情報漏えいを食い止める仕組みを整備できる。また、国内有数のセキュリティ企業であるラックとの協業によって、SBTはオンプレミスとクラウドのマネージドサービスも提供。豊富なセキュリティの知識とノウハウに裏打ちされたサービスを企業ごとに最適な形で提供できる点がSBTの強みだ。

 SBT Forum 2014では高度なセキュリティ対策の具体的なアプローチを提示するとともに、マカフィーやラックが最新のセキュリティ対策と情報セキュリティ体制の在り方についてそれぞれ講演する。既存のセキュリティ対策を見直す格好の機会となるだろう。

知識とノウハウをフィードバックし分析人材を育成

 「データアナリティクス」は、企業における攻めのIT活用の代表的な分野だろう。だが、その実践では新たな知識やノウハウの習得が欠かせず、データを保持しながら、その価値を最大限に引き出し切れていないという課題は多くの企業に共通するものだ。

 この点においてSBTは、企業のWebサイトのアクセスログ解析を通じたコンバージョンレートの改善活動などに約10年前から取り組んできた。今では第三者データを交えてオムニチャネルのデータ分析を始めとして、その取り組みをますます高度化させている。

 そして、長年培ってきたデータ分析のノウハウをウェブ解析士協会の「ウェブ解析士認定講座」を通じてフィードバックし、「攻め」の人材育成に注力する。同講座を社内研修の一環として採用する企業が増えており、営業、広報、総務など幅広い職種層によって受講され、累計の受講者数は既に9000人を超える規模だという。

興梠氏 「業務部門とIT部門の融合は大きな挑戦になる」と語る興梠氏

 「認定講座に業務の現場から多数の受講者が参加しています。また、データ分析のための環境整備やコンサルティングの依頼も相次いでおり、企業のデータ分析のサイクルが着実に加速しているのは間違いありません。今後は決済や広告を皮切りに、さまざまな手段がオンラインへ移行するでしょう。そうした中で企業がビジネスの競争を勝ち抜いていくには、あらゆるログを収集し、組み合わせて分析できるか否かが鍵になります」(興梠氏)

 SBTはデータ分析のためのオンプレミス環境の基盤から大規模データ分析のためのHadoopを基盤とする分析用クラウドまで広範囲に提供するとともに、コンサルティングを含めたサービスをパートナーと共同で展開している。

 SBT Forum 2014ではデジタルマーケティングを推進するアドビシステムズの先進的なソリューションや、SBTのデータサイエンティストによるデータ活用事例も披露される。データ経営の真の姿を見ることができるだろう。

ネットワーク接続される機器の未来を示す

 「IoT&Global」は、多くの企業がこれから目指すべき方向性を示すキーワードだ。特に、「IoT」に対する企業の期待が高い。

 興梠氏は「まだ立ち上がったばかりのIoTを理解するには、オープンデータのように時間を要するでしょう。ただ、IoTの可能性は間違いなく大きく、用途はアイデアの数だけ存在します。ビジネスとして具現化していくには、まさにIT部門と業務の現場がお互いにアイデアを出し合い、強く連携していくことが求められます」と強調する。

 本格的なIoT時代の到来に向けてSBTは、準備にも余念がない。特にIoTを支える基盤には、高いレベルの信頼性や安全性が求められる。そのため同社は、組み込み向けOSで実績のあるミラクル・リナックス、セキュリティ企業のサイバートラストとともに、IoTデバイスへアクセス制御などのセキュリティ対策を組み込んで提供する体制を既に構築している。

 「IoTではデータの活用も注目されています。しかし、クラウドを利用する際に米国のデータセンターにデータが保管されてしまうと、我が国としてのセキュリティを十分に確保できない可能性も考えられます。今後のIoTの拡大では『国産』がシステム整備の重要なテーマになるかもしれません」(興梠氏)

 ミラクル・リナックスとサイバートラストは、両社が推進するIoT分野の最新事例をSBT Forum 2014で紹介する。


 興梠氏は、「『攻め』を担うマーケティングや営業などの業務部門、『守り』を担うIT部門のITに対する見方や要望は、それぞれ異なるものでした。ですが、両者が手を取り合うことでこれまで互いに気付かなかった価値を認識できるようになり、ITの能力を最大限に引き出してシナジー効果を創出できます」と語る。

 SBT Forum 2014では、「攻め」と「守り」の融合に向けた数多くの知見やヒントを得ることができるだろう。その融合が企業のビジネスのさらなる成長を促す。そこでITがどのように貢献していくべきかが分かるはずだ。

SoftBank Technology Forum 2014 〜 Mixture make innovation 〜 開催!

日時:2014年11月14日(金)、13:00〜18:00(開場 12:30)

場所:東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズフォーラム 5F(会場地図

参加費:無料(事前登録制)

主催:ソフトバンク・テクノロジー株式会社

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提供:ソフトバンク・テクノロジー株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2014年11月28日