目指すは「どこでも営業店」 北國銀行は、なぜITシステム基盤を刷新したのかMSの統合製品とExpress5800シリーズで構築

北陸3県を中心に展開する北國銀行が、Windows Server 2012とExpress5800を中心とした新ITシステム基盤に刷新した。「どこでも営業店」の実現を目指す、そのポイントとは。

» 2014年11月04日 18時21分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 石川・富山・福井の北陸3県を中心に全104店舗を構え、地域のリーディングバンクを掲げる北國銀行(本店:石川県金沢市)。同行が、さらなる営業力強化と業務効率化の実現に向け、新たなIT基盤に刷新した。

photo 北國銀行のWebサイト

 刷新における大テーマは「どこでも営業店の実現」。メールや電話などが連携したコミュニケーションツールやシンクライアントなどで構成される新しいITシステム基盤を構築。多岐に渡る銀行業務において、IT基盤領域全体の全体計画策定から、構築、運用、保守をNECが担った。2015年11月25日より本格稼働をはじめる。

経緯と課題:複数あった業務端末、セキュアに業務を遂行できる環境を

 北國銀行は2014年11月の新本店ビルへの移転にともない、ワークスタイル変革による業務効率化やITシステムを統合することによるTCOの削減、コミュニケーションの活性化などを実現する「IT基盤再構築プロジェクト」を進めてきた。

 これまでは、タブレット(Android)、デスクトップPC、業務専用端末などの複数の端末を、セキュリティの観点から、行内、行外での利用や業務に応じて使い分ける必要があった。行員の業務効率を高めるため、1つのデバイスでセキュアに業務を遂行できるITシステムの整備が強く求められていた。

対策と方法:Windows Server 2012+Express5800を中心に、コミュニケーションとシンクライアント、運用管理機能を統合

 顧客の重要情報を扱う金融機関の業務は、なによりセキュリティ性が最重要。行員の業務を1台のデバイスでカバーする手段として、クライアントに情報を保存しないシンクライアント型デバイスの導入を決めた。また、既存のITシステムを統合した新ITシステム基盤により、行員が使うすべてのデバイスで、行外でも安心・安全に行内と同様の業務を遂行できること、つまり「どこでも営業店」を実現することが顧客満足度をさらに高めると定義した。

 新ITシステム基盤は、MicrosoftのWindows Server 2012 R2を中心としたMicrosoft製品を活用し、メール機能、在籍確認、ウェブ会議、インスタントメッセージ機能などを実現するコミュニケーション機能、シンクライアント機能、運用管理機能などを統合。これをNECのIAサーバ Express5800シリーズ約37台規模で運用する。

効果と成果:システム運用や管理コストを低減、将来的なシステム強化も視野に

 NECは、Express5800サーバ上に仮想化環境を構築することにより、将来的なシステム強化や拡充にも柔軟に対応できる新たなITシステム基盤の構築に努めた。

 構築期間は約9か月。NECは自社の持つ独自ノウハウを生かし、全体計画策定から構築・運用・保守までのトータルソリューションをいっそう推進し、金融機関への業務効率化や経営革新をする大規模システムを短期間で提供できる強みを。北國銀行は運用管理を含むITシステム全体を最適化できた、システム運用や管理コストのより低減をできるとする。今後、この新IT基盤の本格稼働により「行員のさらなる営業力強化と顧客満足度の一層の向上を図り、かつTCOの大きな削減を見込む」という。

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