エンジニアの大量雇用とリストラの繰り返し、その解決策はあるのか2015年問題の本質を探る(4)(3/3 ページ)

» 2014年11月13日 08時00分 公開
[井上実,M&Iコンサルティング]
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労働者派遣法の改正に対応するためにも質的変革が必要

 持ち帰り型受託開発や自社サービスへの事業転換は、IT企業にとってはるか先の課題ではない。2014年9月末から行われている臨時国会で、政府が改正を目指している「労働派遣法」の改正案が可決されれば、常駐型受託開発に大きな影響が出るからだ(参考記事)。

 法改正で大きく変わるのは、一部認められていた届け出制が廃止され、許認可制に一本化されることと、IT技術者など特定の専門業務(専門26業務)で認められていた3年以上の派遣が禁止されることだ。いずれも3年間の経過処置が講じられる。

photo 自民党が提案する「労働派遣法改正案」の施行予定

 派遣に関することなので、受託開発には影響がないと思われがちだが、派遣に関する法律が厳しくなれば、請負や受託契約なのに、顧客の直接の指示を受けて作業を行う“偽装請負”に対する監視の目も厳しくなるのは必定だ。

 常駐型で仕事をするとなれば、どうしても顧客からの指示を受けやすい。そのため、常駐型受託開発は今後難しくなる可能性もある。このような点からも、IT企業は常駐型受託開発からの質的変革が必要な時期に入っていると言える。

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