仕事でのモバイル利用に懸念、チェック・ポイントが自動保護機能付の新製品

欧米企業では個人のモバイル機器を仕事に使うケースが加速し、IT部門がセキュリティへの不安と高めているという。新製品ではこの懸念に対処した機能を提供すると同社。

» 2014年11月14日 15時48分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは11月14日、仕事でのモバイル機器利用に関する調査結果とモバイルセキュリティ新製品「Check Point Capsule」を発表した。新製品では業務ドキュメントを自動的に暗号化する機能を備え、機器の盗難や紛失などによる悪用から保護するという。

 新製品は、PCやスマートフォン、タブレットに「Capsule」アプリをインストールして利用する。Capsuleはドキュメント(文書や表計算、プレゼンテーションなど)の作成、編集、閲覧とWeb閲覧、ファイルのダウンロード、仮想デスクトップなどへのアクセスとリモート操作、マルウェア対策の各機能を搭載している。

Capsuleの概要

 Capsuleでユーザーが新規に作成ファイルは自動的に暗号化して保存される。また、事前に設定した他のユーザーとの間でファイルを共有することもできる。Capsuleの内部で利用するデータは保護され、機器にインストールしてい別アプリがCapsule内のデータへアクセスしたり、Capsule内のデータをコピーして別のアプリに複製したりすることはできない。

 ユーザーによる社内システムへの接続はCapsuleから行い、この際には社内のセキュリティポリシーやルールが自動的に適用される。社内のIT担当者は、社員などのユーザーがCapsuleを通じて行った操作(システムやファイルへのアクセス履歴、メールの利用履歴、ポリシーやルールの順守状況やセキュリティシステムへの対応など)を一覧画面から確認できるようになっている。

管理画面の一例

 新製品の提供理由について同社システム・エンジニアリング本部長の児玉清氏は、社員や従業員が個人で所有している機器を仕事にも利用する「BYOD(Bring Your Own Device)」が普及し始め、これに伴うセキュリティリスクを心配する企業のIT担当者の声が高まっているからと説明した。

 同社が米国、カナダ、英国、ドイツ、オーストラリアの5カ国で企業のIT担当者700人以上を対象に行ったモバイルセキュリティに関する調査によると、回答者の企業の75%で個人所有の機器から社内ネットワークへの接続を許可され、95%が接続される個人所有機器の台数が増えていると答えた。

 5カ国の調査では個人所有機器による業務を認める企業が多いものの、IT担当者の98%がセキュリティ上の問題の発生を心配していると答えた。特に機器の盗難や紛失などによる情報流出を懸念事項に挙げる回答者は82%に上る。具体的には、データを守る方法(72%)や個人と会社のデータが混在する環境の管理方法(67%)、社内ネットワークへの接続における管理(59%)となっている。

セキュリティで懸念される従業員の行為

 仕事でのモバイル機器の利用は、オフィスの外での業務を可能したり、個人所有とすることで社員が使いやすい機器を選べたりするなどの点でメリットがあるものの、企業側の管理や制御が難しくなるという問題を抱える。同社は、調査から社員や従業員の不注意がセキュリティ上の問題を引き起こしかねないと指摘。製品で技術面によるセキュリティ対策を提供するという。

 新製品は、ドキュメント利用や暗号化機能の「DOCS & WORKSPACE」パッケージと、マルウェア対策の「CLOUD」パッケージおよびこの2つを統合した計3種類のパッケージをアプリストアや同社サイトなどで提供。統合パッケージの利用価格は、ユーザー1人あたり月額1120円になる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ