日本IBMの「地域営業強化」、新たな決意とその行方Weekly Memo(2/2 ページ)

» 2014年12月08日 17時00分 公開
[松岡功,ITmedia]
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イェッター体制の区切りで注目したい、「IBMの地域営業活動」の行方

photo 筆者の取材に答える日本IBMの須崎吾一執行役員 関西支社長

 今回の京都でのイベント開催にあたり、筆者は同イベントのホスト役を務めた日本IBMの須崎吾一執行役員 関西支社長に個別取材を行う機会を得た。これまでの地域営業強化の手応えやイェッター体制の区切りを迎えての今後の取り組みについて聞いてみた。まず手応えについて同氏は次のように語った。

 「手応えについては非常に強く感じている。振り返ってみると、当社は2000年以降12年間にわたって業種別営業展開に力点を置いてきたこともあって、全国地域への営業活動が手薄になっていた面があった。そこで2年半前にイェッター社長のリーダーシップのもと、4支社体制で各地域に密着した営業活動に改めて注力した。当初は12年間のブランクの大きさを感じたが、1件1件お客様とのつながりをていねいに広げてきた」

 「私たちができるのは、IBMならではのソリューションをお客様に届け、役に立てていただくことだ。そうした活動の中でこの2年半で感じたのは、ビジネスのグローバル化に向けた企業全体のITの仕組みづくりにおける、お客様のIBMへの期待の高さだ。さらに、多くの経営層の方々がIT活用に強い関心を持っておられ、IBMと話したいという要望が時間を追って増えてきた。それらが今、着実に実を結びつつある」

 日本IBMは2013年度(2013年1月〜12月)に12年ぶりの増収を果たし、2014年度も成長軌道にあるとみられる。イェッター氏はその要因として自ら手掛けた「地域営業の強化」を一番に挙げている。

 だがそのイェッター氏は、日本IBMでの功績を認められて米国本社の要職に就くことになった。2015年1月からの日本IBMの経営新体制はまだ明らかになっていないが、地域営業強化の方向に変わりはないだろう。とはいえ、地域営業強化はイェッター氏の肝入りだっただけに、現場での受け止め方はどうなのか。そして今後の展開についてはどう考えているだろう。

 「地域営業強化は着実に成果を上げつつあるが、大きな流れで言えば、これまでの2年半は当社としての地域活動の基礎固めであり、種まきを行ってきた期間だったととらえている。今後は先ほどお話ししたお客様の要望や期待に応えるとともに、新たなテクノロジーを活用してさらにカバレッジを広げていかなければならない。地域での営業活動は根付いたと自負しているが、それを継続していくだけではだめ。さらにこれから、どう加速させていくか。支社長としてそこに尽力していきたい」

 執行役員でもある須崎氏のこの発言は、イェッター体制の区切りを迎えた中での、日本IBMの地域営業強化への新たな決意といえよう。



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