WS2003/2003 R2が発売された2000年代中盤は、企業におけるITシステムの重要性が認められ、大企業から中小企業にもITシステムが導入されていった時期だ。また、膨大なコストがかかるメインフレームやUNIXサーバから、PCをベースにしたPCサーバ(X86サーバ)が注目され、多くの企業に導入された時期でもある(日本ではオフコンからPCサーバへの移行も進んだ)。
時期的にはWS2003/2003 R2サーバのハードウェア自体もリース期限が迫っている場合が多い。このため、WS2003/2003 R2サーバの移行は、ハードウェアの移行も含まれている。
実は、サーバのハードウェア移行は企業にとってコスト削減の大きなチャンスになる。2003年頃のサーバに比べると、現在のサーバは数百倍ものパフォーマンスを持つ。このため、仮想化を利用することで1台のサーバハードウェア上で複数のOSによる仮想サーバを動かすことができる。これにより、社内に用意するサーバのハードウェアの台数が大幅に減ることになる。
仮想化を利用すれば、WS2003/2003 R2のサーバだけでなく、Windows Server 2008/2008 R2、Windows Server 2012/2012 R2、Linux OSなども1台のサーバハードウェアで動かせるため、サーバ全体としての台数をまとめることができる(サーバのコンソリゼーション)。
どのくらいのWS2003/2003 R2のサーバを集約できるかは、行っている処理によって左右されるが、一般的には現在のサーバハードウェアへWS2003/2003 R2のサーバ5〜10台ぐらいを仮想化して収容できるといわれている。
もう1つの選択肢としては、クラウドの利用が挙げられる。業務で重要なサーバは、オンプレミス(社内)に設置し、外部とのやりとりに使うサーバやメールサーバなどは、クラウドを利用するというやり方だ。これにより、オンプレミスのサーバ数をより減らすことができる。また、メールなどをクラウドサービスとして利用すれば、OSやアプリケーションのメンテナンスといった作業も必要なくなる。IT部門としてはクラウドサービスのメリットを大きく享受できる。
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