Windows 10の“新の姿”を予想 ビジネスモデルも変革かEnterprise IT Kaleidoscope(2/2 ページ)

» 2015年01月13日 07時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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OSのバージョン番号が変わる

 Windows 10ではOSのバージョン番号が変更されることで、企業ユーザーにとって問題となる可能性がある。現在のWindows 8.1は、OSのバージョン番号として「6.3.9600」などが利用されている。これは、幾つかのアプリケーションがOSのバージョン番号を6.X台と決め打ちしていためであり、バージョンチェックで動作しないことが多かった。このためMicrosoftは、Vista以降のOSでは6.X.XXXXというバージョン番号の決め方をしていた。

 しかし、Windows 10では「10.X.XXXX」というバージョン番号が割り振られている。これによってアプリケーション側で改修が必要になるかもしれない。特にアプリケーションのバージョンチェックが、頭の番号が一桁だと決め打ちしている場合は、10.X.XXXXと2桁になったことで修正が必要になるだろう。もしかすると、テクニカルプレビューに対するユーザーやIT管理者、アプリケーション開発者の意見を聞いて、バージョン番号を「6.X.XXXX」に戻す可能性もある。

Windowsのビジネスモデルが転換する

 今回のプレスイベントで正式発表されるかどうかは分からないが、Windows 10のエディションも整理されるだろう。「コンシューマー向けのWindows 10」「エンタープライズ向けのWindows 10」、Windows RTとWindows Phoneをまとめた「モバイル向けのWindows 」が計画されているようだ。

 モバイル向けのWindows 10エディションは、ハードウェアベンダーに提供されるOSとなる。ARMプロセッサ/x86プロセッサをサポートし、スマートフォンやファブレット、タブレットなどの分野をカバーする。いわゆるWindows PhoneやWindows RTなどのOSを1つに統合したものだ。

 エンタープライズ向けのWindows 10に関してMicrosoftは、現在「ソフトウェア アシュアランス」(SA)で提供されているEnterprise エディションとProを1つにしようとしている。同社は、企業が利用するWindows 10を年間契約のSAベースによる有償提供をしたいと考えているようだ。

 一方、モバイル向けのWindows 10エディションやコンシューマー向けのWindows 10は、無償もしくは非常に低額での提供となるようだ。Windows 8/8.1からのアップグレードは無償になると言われている。

 このようにMicrosoftは、コンシューマー向けのWindows OSにおいては、OS自体で稼ぐというビジネスモデルから、OSは無償に近い価格で提供し、Office 365やOneDrive、Skypeなどの追加サービスでユーザーから直接Microsoftに金銭を支払ってもらうというビジネスモデルを検討しているようだ。

 ただしエンタープライズ向けは、これまでのようにコストを支払ってもらうが、SAによってOSだけでなくOffice 365やWindows Intuneなどのサービスを複数利用してもらうことで、全体的には割引率が高くなるようにしようと考えていると思われる。

 こうしたビジネスモデルは5月頃に発表されるため、今回の1月のプレスイベントでは特にアナウンスされないだろう。モバイル分野でAppleやGoogleに押されていることを考えると、Microsoftは積極的なビジネスモデルに打って出るともいわれている。

 気になるWindows 10のリリースは、Windows 8の時と同じく夏頃にOSのRTM(メーカー向けリリース)が行われ、MSDNやSAユーザーはRTMの数週間後にもダウンロードできるようになるだろう。秋頃からクリスマスシーズンには、PCベンダーからWindows 10をプリインストールしたPCが発売されると予想される。

Microsoftが新年早々に次期Windowsの「Windows 10」に関する発表を行うようだ。今回はイベントに先駆けてWindows 10や同社のビジネスモデルなどを予想してみたい。

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