ワコールの事業拡大を支える、新グループウェアの効果とは?(2/2 ページ)

» 2015年02月03日 08時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]
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研修のために全国を行脚

 一般論として、業務に関わるソフトを刷新する際には社員の教育が必要となるが、特にワコールの場合、教育に注力する必要があったのだという。「業務部門からさまざまな意見や要望が来る社風があるので、教育はていねいに行いました。単にマニュアルを作るだけではダメで、北は札幌から南は福岡まで、10カ所ある全国の事業所を行脚しました。10月から大体2カ月ほどかかりましたね」と大西さんは語る。

 こうして、2014年12月15日にワコールHDの従業員約3500人がインスイートの利用を開始した。最初の2週間ぐらいは情シス部門に問い合わせがあったが、役員が社員へ新システムの利用を促したこともあり「文化が変わりつつあります。立ち上がりはまずまずです」(大西さん)という。

photo インスイートの利用イメージ(出典:ドリーム・アーツ)

会社を超えた共通のスケジュール管理が可能に

 インスイートの導入で最も効果があったのは、全社が共通のスケジューラを使って予定の確認ができるようになったことだという。「恥ずかしい話なのですが、今までは営業などニーズが高い部署でしかスケジュールシステムを導入していませんでした。それぞれの部署でエクセルに手入力してスケジュールを管理するところもあり、異なる部署に属する人のスケジュールを把握するのが困難なケースもあったのです。これがシステムでできるようになったので、運用が楽になりましたし、スピードや精度も上がりましたね」(大西さん)

 セキュリティ周りの仕組みが整備されたのも大きな成果だ。ワコールには正社員から契約・派遣社員、そして店舗で働くパートやアルバイトなどさまざまな職種の人がいるが、それぞれの人に与えるフォルダやファイルのアクセス権限をきめ細かく設定できるようになった。

 「これまでは社員ごとに細かいアクセス権限の設定ができていなかったので、個別に共有フォルダを作ったり、メールでファイルを送ったりといった運用の工夫でセキュリティをカバーしていました。今までポータルの外でやっていたことが、色々とできるようになったのは大きいですね」(大西さん)

 今後はインスイートをさまざまな子会社に適用していくとともに、さらなる機能の追加を視野に入れていると大西さんは話す。

 「ワコールの100%子会社についてはインスイートを導入していますが、最近買収したところについてはまだ導入できていません。まずは、国内の子会社すべてに導入するよう進めていきます。また、現時点ではデフォルトの機能を中心に使っていますが、今後は営業支援システムと連携させるなど、機能を追加していく予定です」

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