東京五輪スポンサーの富士通とNECに求められる「グローバルブランド力」Weekly Memo(1/2 ページ)

富士通とNECが2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのスポンサーに就いた。両社にとってはこれを機に「グローバルブランド力」を向上させたいところだ。

» 2015年02月23日 17時00分 公開
[松岡功,ITmedia]

ゴールドパートナー契約の拠出額は150億円規模に

photo 富士通の山本正已社長(左)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長

 富士通とNECが2月19日、2020年に開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京五輪)の国内最高位パートナー契約となる「ゴールドパートナー」にそれぞれ就いたと発表した。両社はパートナー契約の対象カテゴリにおいて、東京五輪向けに製品やサービスを提供できるほか、マーケティング活動にマークや呼称などが利用できるようになる。

 富士通の対象カテゴリは「データセンターパートナー」。競技の運営に必要なアプリケーションやデータを扱うサーバやストレージなどを含むデータセンター設備を提供する。一方、NECの対象カテゴリは「パブリックセーフティ先進製品」と「ネットワーク製品」。生体認証や行動検知/解析、無人小型飛行ロボット、SDN(Software-Defined Networking)および有線/無線ネットワークに関する支援を提供する。

 両社は同日、発表会見を相次いで開いた。富士通の山本正已社長は「当社はデータセンターパートナーとしてスポンサー各社と密接に連携し、大会の成功に貢献したい」、NECの遠藤信博社長は「NECの総力を結集し、さまざまなイノベーションの協奏により、人々が安心して楽しめる大会の実現を目指していきたい」とそれぞれに意気込みを語った。

 ちなみに、オリンピック・パラリンピックの運営を支えるシステムは、2002年のソルトレーク冬季大会以来、国際オリンピック委員会(IOC)とグローバルスポンサー契約を結んでいるフランスのAtos(アトス)が構築を担当している。Atosは日本であまり知られていないが、欧州ではトップ5に入る規模のグローバルITベンダーである。

 東京五輪においてもこのAtosがメインコントラクターとなり、富士通とNECはAtosの依頼を受けて、それぞれの対象カテゴリーの製品・サービスを提供する格好となる。その製品やサービスの提供を含めたゴールドパートナー契約における今後6年間の両社の拠出額は、それぞれ150億円規模になるとみられている。

 もちろん、富士通およびNECには日本を代表するITベンダーとして、日本にとって世界に向けた一大イベントとなる東京五輪を支えるという強い使命感があるはずだ。だが、投資効果という観点から、果たして両社にはどのようなメリットが考えられるのか。

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