シンクライアント導入 “思わぬ落とし穴”にご用心! 百戦錬磨のプロに聞く成功の秘訣とは?

企業でセキュリティ向上やワークスタイル変革などを実現する方法として、シンクライアントの導入が広がりつつある。ユーザーにとっては最適なアプローチを迷わず採用できれば良いが、何をどのように選択すれば良いのかといった悩みを抱く場面が多いのではないだろうか。シンクライアント導入を現実のものとするためのポイントを探ってみたい。

» 2015年02月24日 10時00分 公開
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シンクライアント導入は普及期に突入

 2013年から2014年にかけて仮想デスクトップなどに代表されるシンクライアントの企業導入が本格化した。既に業種を問わず、クライアント端末の約4台に1台が仮想化され、数年後には約2台に1台の割合で普及するとの見方もあるほどだ。

 加えて、クラウドやモバイルを活用し、外出先や自宅で業務を行う新たなワークスタイルが普及し始めている。しかし、クライアント環境が多様化し、異なるデバイスでのアプリケーションやデータの利用が進むと、運用管理やセキュリティの確保が一層難しくなる。そこで、クライアント環境を仮想化してサーバに集約し、データや運用管理を一元化すれば、セキュリティ面での懸念の払しょくと利便性を両立し、また、災害発生時にも自宅で業務が行えるなど、事業継続に不可欠な業務環境も確保できる。

 ただ、実際に企業がシンクライアントの導入を進めていこうとすると、導入を判断する経営層も含め、「どう成功につなげていくのか」というイメージが明確になっていないという課題に直面する。また、テスト導入はしたが、結局うまくいかずに断念したというケースも聞く。

 企業がシンクライアント導入を失敗しないためには、どうしたらいいのだろうか。2005年にデスクトップ仮想化ソリューションの「VirtualPCCenter」をいち早く製品化し、これまで約260社・16万ライセンスの導入を手掛けるなど、シンクライアントの分野で長い歴史と豊富な実績に裏付けられた知見を持つNECに話を聞いた。

導入に失敗しないための3つのポイント

NEC ソリューションプラットフォーム統括本部 シニアエキスパートの須山浩邦氏

 同社で約10年にわたってシンクライアント導入を手掛けてきたソリューションプラットフォーム統括本部 シニアエキスパートの須山浩邦氏は、「初めに申し上げたいのは、シンクライアントにとって一番大切なのは、“企業システムのクライアント”として適切に動作することです。シンクライアント自体は枯れた技術ですが、システムを構築する側に十分な経験やノウハウがない場合、実際の安定稼働に必要なサイジングの設計に失敗してしまったり、業務アプリケーションが動かないなどのトラブルが発生した際に対処が遅れることもあります。NECは確かな技術や製品を採用し、ユーザーにとって『快適で使いやすい』システムの提供に注力してきました」と話す。

 須山氏によると、企業がシンクライアント導入を失敗しないためには、3つのポイントがあるという。

(1)シンクライアントの導入実績が豊富なパートナーを選ぶこと

 ユーザーのニーズに合致する最適なシステムをパートナーが提案、構築できるかどうかであり、パートナーの持つ経験や実績が決め手になる。「例えばサイジングに着目すると、社員が一斉にログインする時の過大な負荷が問題となり、ストレージが重要になってきます。以前はシンクライアントシステムのストレージでは仮想マシン1つあたり10IOPS程度で十分と言われていましたが、実際には20〜25IOPSほどが必要です。また、動画がスムーズに再生されることをアピールするベンダーもいますが、それ以上にユーザーが求めているのは、システム全体としてきちんと動作し、社員が普段の業務で快適に使えることだと思います」(須山氏)

(2)採用する技術や製品を見極められること

 画期的な新機能に惹かれて製品を選んだところ、実際は様々な“条件付き”であるがために、その新機能が使えなかったということはよく耳にする話だ。導入する技術や製品などが現在の企業環境に対応しつつ、将来性も兼ね備えていることが肝心だ。最適なシステムを選ぶには、豊富な経験と実績に基づく知見が求められる。

(3)しっかりとした保守やサポート力を重視すること

 豊富な経験やノウハウを持つパートナーには、多くの苦労を重ねてきた歴史もある。それは導入を数多く手掛けていく中で得たユーザーにとっての使いやすさや、確かな品質と信頼につながっている。こういったベースがあるパートナーであれば、ユーザーにとっても心強く、安心だ。

 こうしたことができるのは、複数のベンダーと中立的な立場で協力関係を築いているパートナーだ。技術や製品のメリット、デメリットを熟知し、特性を踏まえた適切なシステムを提供してくれる。実際にシンクライアントを導入していく場合、ユーザーは上記の3つのポイントを複合的に考慮しながら検討を進めていくことで、安心して取り組めるだろう。

実は、統合型システムがシンクライアント導入に適している理由

 では、実際にシンクライアントを導入するとなると、まず、シンクライアント基盤に必要な要件定義、設計、構築、検証などの作業が発生するが、これらをひとつひとつこなしていくには膨大な工数を要する。情報システム部門としては、求められる要件を全て満たし、確実に導入したいが、その後の工程も含め、時間は限られている――。そんな場合、この課題を解決する「近道」のような方法はあるのだろうか。

 NECの「Application Platform Suite シンクライアント基盤」は、サーバ、ストレージ、ネットワーク製品、運用管理ソフトウェアの他、シンクライアント環境の運用・管理に必要なソフトウェア(VirtualPCCenter)も一括して提供する統合型システムだ。予め最適な設計・構築・チューニングを済ませているため、システム基盤の要件定義から検証までに要する期間を個別にインテグレーションする場合に比べ、最大で50%(約3カ月)短縮できるという。

NEC ソリューションプラットフォーム統括本部の中村友宣氏

 ソリューションプラットフォーム統括本部の中村友宣氏は、「高品質と信頼性を実現する技術を持つ製品開発チームと、長年お客様のもとで最適なシステムの構築を手掛けてきたチーム、両者の知見や経験を結集させて開発したのがApplication Platform Suiteシンクライアント基盤です。品質の高いプラットフォーム基盤を短期間に導入できるのであれば、その分、周辺システムとの連携やアプリケーションの評価などに十分な時間をかけられますので、情報システム部門の方々にとっても魅力的ではないでしょうか」と話す。シンクライアントの導入を確実に早く進めるためには、このような統合型の基盤を活用するという選択肢があるのだ。

 Application Platform Suite シンクライアント基盤は、拡張性においても優れた特長がある。導入時期によって起こる製品ごとの仕様・バージョンの違いや、都度評価を行わなくてはならない工数の負荷など、製品のサポートサイクルとユーザーにおけるライフサイクルの整合は大きな問題になる。段階的にシンクライアントの導入を考えていればなおさらだ。しかし、このような統合型システムであれば予め将来的な拡張も踏まえて設計されているため、システムとしての一貫性を維持しながら安心して拡張していくことも可能だ。

 さらに運用管理面でもメリットがある。「従来個別での構築が必要となっていた仮想PCの管理やハードウェアの監視などの機能を、『VirtualPCCenter』が実現しています。例えば、今まではパッチの適用やアプリケーションの配布などはPC1台ごとに行う必要がありましたが、VirtualPCCenterを使うと、サーバ上のクライアント環境にパッチやアプリケーションを夜間等に一斉展開できるので、運用管理工数の大幅な削減が可能です。また、マスタイメージから一気に1000台のクライアント環境を展開するといったことも簡単にできます」(中村氏)

標準化された統合型システムを活用することで高品質と導入期間短縮が可能

 このように、セキュリティ向上やワークスタイル変革を実現するシンクライアントは、Application Platform Suite シンクライアント基盤のような統合型システムの活用や、豊富な経験と実績を持つパートナーの選定など、上手にポイントをつかめば、確実に壁は越えられる。シンクライアントがもたらす多くのメリットを享受するためにも、ぜひ諦めずに取り組んでほしい。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日