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» 2015年02月24日 08時00分 UPDATE

DEAN & DELUCAの商品選びに磨きをかける“社内SNS”の力

“食のセレクトショップ”として名高いDEAN & DELUCA。代表を務める横川氏は、生活雑貨を扱う店舗も展開している。両社のシナジー効果を高めるために選んだ社内SNSと、その効果は。

[後藤祥子,ITmedia]

 食本来の美しさをすべての人へ――。DEAN & DELUCAは、そんなコンセプトを掲げる“食のセレクトショップ”だ。

 ニューヨークで生まれた同店が日本に上陸したのは2003年のこと。“食のスペシャリストが選んだ食材を主役に”というコンセプトはそのままに、日本人の口に合う食材を世界中から集めてくるという店作りが人気を博し、今や日本各地に18店舗を構えるまでに成長した。

Photo 「食本来の美しさをすべての人へ」をコンセプトとするDEAN & DELUCA

 日本でこのDEAN & DELUCAを率いるのが代表取締役の横川正紀氏。同氏の「味わいあるくらし」に対する取り組みは食のみにとどまらず、生活雑貨や家具、工芸品などの衣服や住環境などにも及んでいる。こうした商材を扱う店舗も展開しており、ウェルカムというDEAN & DELUCAとは別の会社で企画・運営を行っている。

 しかし、ウェルカムとDEAN & DELUCAの両社で経営戦略室のシニアマネージャを務める和田貴博氏によると、それぞれの事業が拡大し、従業員が増えるに従ってコミュニケーション上の課題が浮上してきたという。

Photo ウェルカム、DEAN & DELUCAの両社で経営戦略室のシニアマネージャを務める和田貴博氏

 1つは社内の情報共有ルートが一本化されていなかった点だ。マネージャーによって使うツールがFacebook、Googleハングアウト、LINEとまちまちで、異動するとコミュニケーションの方法が変わってしまうという問題があった。加えて、『個人のアカウントを会社に教えたくない』という声が挙がっていたことや、退職後のスタッフのアカウントに社内情報が残ったままになりかねないというセキュリティ上の問題もあることから、対応を急ぐ必要があった。

 2つめは、2つの会社間での情報共有手段がなかったことだ。DEAN & DELUCAとウェルカムは、ターゲット層や扱う商材は違えど、“よりよいくらしに役立つ商品を提供する”という思いは共通している。ゆくゆくは両社のシナジー効果を期待したいという思いがあったものの、その第一歩である「互いを知る」ためのコミュニケーションに使える場がなかった。

 3つめは“情報伝達時の二度手間の解消”だ。両社共通で伝えたい情報があるときに、それぞれの全社共通メーリングリストに投稿するのは手間がかかる。さらに代表の横川氏は、自身が気になったニュースやメッセージを社員に向けて発信することが多く、こうした情報や理念を発信しやすく、投稿後の反応がうかがえるツールが求められていた。

 そこで同社が検討を始めたのが、社内SNSの導入だった。

導入の決め手は「直感的に使えるか」

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 導入時に重視したのは、“スタッフが直感的に使えるかどうか”だった。両社には本部から店舗まで、さまざまなITリテラシーのスタッフがいるため、使い方が難しいと社員教育の時間やコストがかさんでしまう。

 実は同社はGoogle Appsを導入しており、社内には「これを使えばいいのでは」という声もあったという。しかし、Google Appsは使いこなせていない人も多く、利用を徹底するには教育の必要があった。こうした教育の手間をかけずに使えるツールを探していたところ、候補に挙がったのが「WowTalk」(ワウトーク)だった。

 LINEやFacebookに似たUIであることから、社員がWowTalkになじむのも早かったと和田氏。代表である横川氏が積極的に情報を発信しているのも浸透に一役買っているようだ。

 現在は代表の横川氏が自身のメッセージを伝えるマンスリーレターと日々の気になるニュースを投稿しているほか、ウェルカムとDEAN & DELUCAそれぞれの社員やショップスタッフが店舗のイベント情報やちょっとしたアイデアなどを投稿しているという。最近では全社会議のアジェンダの共有も始まったそうだ。

 社内SNSの導入を機に、接点がなかった2社の間に交流が生まれ、店舗間コラボの企画も持ち上がっていると和田氏。また、ウェルカムが展開するインテリアショップ「ジョージズ」が有楽町でイベントを行った際に、WowTalkを通じてそれを知った有楽町DEAN & DELUCAのスタッフがコーヒーを差し入れるようなサプライズもあったという。

今後はディスカッションもSNSで

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 まずはシンプルな使い方からスタートした両社だが、和田氏は今後、テーマごとにグループを作り、その中でディスカッションするような使い方もしていきたいと話す。

 「WowTalkの活用を本格化させるために、ウェルカムとDEAN & DELUCAのスタッフ15人を集めてブレストを行ったところ、『モニターとしての声を聞かせてほしい』『こちらで扱っている商品の話をそちらでしてほしい』など、さまざまな声が挙がってきた」(和田氏)

 感度の高いバイヤーたちが選びぬいた製品は、たまに使う人の視点が抜け落ちていることもあると和田氏。より多くのバイヤー視点で議論することで、製品選びにさらなる磨きをかけたいと話す。そのためのツールとしてどんな使い方ができるのか――。新年度に向けて検討していく考えだ。

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