全社Wi-Fiとフリーアドレス、オフィスデザインの専門集団が取り組んだ“働き方が変わる”オフィスとは?新しい働き方、新しいオフィス(3/3 ページ)

» 2015年02月27日 16時00分 公開
[岡田大助,ITmedia]
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やってみて分かった困りごとは?

 フリーアドレス化を進める企業は増えているが、それに比例するように失敗事例も聞こえてくる。例えば、「仲良し社員だけが固まってしまう」「目当ての人がどこにいるのか分かりにくい」などだ。三井デザインテックでは、どうなのだろうか?

 まず、フリーアドレスの固定化問題について。The PALETTEは1フロアを働き方に応じていくつかのゾーンに分けている。また、同じゾーンの中でも机やイスの形や配置を変えて空間ごとの雰囲気や機能を多様化させている。

 「その人にとって居心地がよいエリアはどうしても生まれます。でも、毎日、同じところに座るスタッフはいません。今やっている作業のために必要だと思える環境を用意することがフリーアドレス化の本質です。集中したいとき、仲間と話したいとき、大画面モニターを使いたいとき、プレゼンの練習をしたいとき……。当初の狙いどおり、それぞれの仕事に応じた場所を使い分けているようです」(亀田氏)

The PALETTE ガラスボードで覆った柱の周りで立ち会議。仕事の効率化や時間の短縮につながる

 次に、社員がどこにいるのか分からなくなる問題について。同社の場合、面積が約235坪ということもあり、社内をグルッと見渡せばだいたい目当ての人が見つかるという。そのために、あえてパーテーションを作らず、“個室”も用意しなかった。さらに不在確認ボードもあり外出中の社員の把握も可能。どうしても見つからなければ会社貸与の携帯電話に電話をかければよい。

 ただし、新たに「電話の取り次ぎがしにくい」という課題が浮かび上がってきたそうだ。「もともと内線には会社貸与の携帯電話を使っていたので問題ないはずだったのですが……。これまでは相手の顔を確認してから転送していましたが、今では相手の顔を見ないで転送することもあり、やはり違和感があるようです。慣れの問題だと思うので時間が解決するでしょう」

The PALETTE ハイスツールとハイカウンター。人によっては柱の陰が集中できるとか

 それでも解決しないようならば、新しい施策を考えるそうだ。やってみてダメだったことは柔軟に改善してみればよい。働きやすくするための取り組みで、働きづらくしてしまうのはナンセンスなのだから。今後も新しい働きやすいさを求めて、このオフィスは進化し続けていくことだろう。

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