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» 2015年02月27日 15時03分 UPDATE

ファン急増「ヤマー チャン」 美形キャラで理解促進 伊藤忠商事の「Office 365」活用術 (1/2)

「20時以降残業禁止」「朝型勤務制度」の導入など、従業員のワークスタイル改革を支援する施策を積極推進する伊藤忠商事が、メール/社内コラボレーションツールを「Office 365」に刷新した。導入の経緯や手段、そしてそれを「従業員へ理解してもらう」方法とは。

[ふじいりょう,ITmedia]

経緯と課題:“終わりが決まっていない働き方”を改善 「個人の生産性向上」と「組織の連携強化」

 総合商社の伊藤忠商事が、「個人の生産性向上」と「組織の連携強化」2つのテーマを満たすべく、全社コミュニケーション基盤を刷新。日本マイクロソフトの「Office 365」を導入した。

 2014年6月に「Lync Online」「Yammer」「SharePoint Online」を稼働、同年8月に「Exchange Server」と「Exchange Online」を組み合わせたハイブリッド構成のメールシステムへ移行した。Exchange Serverの提供基盤にはNTTコミュニケーションズの「Bizホスティング Enterprise Cloud」(BHEC)を採用した。

photo 伊藤忠商事のWebサイト

 世界65カ国に約130の拠点を持ち、「繊維」「機械」「金属」「エネルギー・化学品」「食料」「住生活・情報」6つのカンパニーを置く伊藤忠商事では、「ワークスタイル改革」に取り組んでいる。2010年4月より、まずは会議と資料の削減に着手。2012年10月にフレックスタイム制度の全社一律適用を廃止(コアタイム開始間際に出社する社員が多く、その分残業が増える傾向があったため)。2014年5月には、20時以降の残業を原則禁止し、その代わり早朝勤務手当の増額や無料朝食支給を行う「朝型勤務制度」を正式に導入した。

 「前年度同時期比で、時間外勤務手当が約7%削減されました。“終わりが決まっていない働き方”が改善され、時間に対する意識が向上。仕事の効率化が進んでいます」(伊藤忠商事 IT企画部長の渡辺一郎氏/出典:マイクロソフトWebサイト)。そんな「ワークスタイル改革」をさらに進めるため、ITによるコミュニケーション基盤の刷新も必要と位置付けた。

 また、各カンパニーは内部の連携はこそ強固だが、横の連携が比較的弱い部分もあった。

 「例えばコンビニ事業。食品や商品はもちろんですが、包装資材の化学品などの分野もあり、さまざまなカンパニーが関与します。よりよい商品を提案するには横の連携強化が不可欠です」(渡辺氏/同上)

 加えて社内システムとして、メールサーバの刷新時期が迫っていた経緯もある。同社はこれまで長期に渡ってSun Java System Messaging Serverを使用していたが、より横の連携も密にとれるメール+コミュニケーションのためのシステムを望んでいた。

 「実は、海外拠点ではExchange Serverを使用しているケースが多い。海外駐在から戻ってきた社員からは、国内のメールシステムはスケジューラーとの連携がなく、使いづらいと不評でした。モバイル環境での利用のしやすさなども考慮し、まずはここを刷新する必要があると判断。その後コミュニケーション基盤全体の見直しへと、検討内容が広がっていきました」(伊藤忠商事 IT企画部技術統括室主任の田中仁志氏/同上)

 加えて、顧客や取引先との契約上、海外のサーバ(データセンター)へメールデータを含む重要な情報を保管できないケースもある。コミュニケーションツールが多様化したとはいえ、メールは基本となる最重要なツールであることも変わらない。より強固な安全・安心を実現するため、メールサービスの提供基盤にはとくに安全性を求めた。

対策と方法:Office 365+Bizホスティング Enterprise Cloudでハイブリッド型メールシステムに

 この要件より、

  • Web会議、社内ポータル、メール、SNSなどコミュニケーション手段を融合した「Office 365」を導入
  • NTTコミュニケーションズのIaaSで稼働させた「ハイブリッド構成」のメール

 を選定した。

 まず、同社は新ツールを「LYS」(リス)と名付け、2014年6月にLync Online(Web会議)、Yammer(社内SNS)、SharePoint Online(情報共有)を稼働、8月にはメール環境もExchange ServerとExchange Onlineを併用したハイブリッド型メールシステムに移行した。利用規模は伊藤忠商事の全従業員を含む、約6000ユーザーとなる。

 「これまでなかったツールが加わる上、PC、スマートフォン、タブレットを含むあらゆるデバイスからいつでも、どこでも利用できるようにした。さらにSNSなどで社員同士がより密接にコミュニケーションが取れれば、当然、個人の生産性向上と組織の連携強化にもつながります」(伊藤忠商事の渡辺氏/同上)

 メールの提供基盤は、同社の事情に合わせてカスタマイズした。サービスのベースには「Office 365」を使いつつ、Exchangeは別に本番環境用のインフラを用意。マイクロソフトのサービスをバックアップシステムとして待機させつつ、本番システムは別のインフラで稼働させるハイブリッドでの構成とした。

 NTTコミュニケションズの「Bizホスティング Enterprise Cloud」は、海外だけでなく日本国内にもデータセンターを持っている。国内のデータセンターがあり、何か問題が発生した場合に担当者がすぐに駆けつけてくれる点を重視したという。

導入のねらい

  • 「個人の生産性」と「組織の連携力の強化」を支える従業員のコミュニケーション基盤を整備
  • 2つのインフラによるハイブリッド構成で「メールの安全性」を高める

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