「データはビジネスのヒントが隠された宝の山」――。そんなデータの分析が経営の意思決定に重要な役割を果たすことは、今や疑う余地がないだろう。マイクロソフトが提供する「Office 365」と「Power BI」を使えば、正確かつリアルタイムなデータ分析で、あなたの会社の経営会議が生まれ変わるかもしれない。
数々のデータから市場トレンドをいち早く察知し、ニーズに即した商品を他社を出し抜いて素早く市場に投入する――。ビッグデータは、そんな企業の差別化戦略に役立つことから、ビジネス誌などのメディアがこぞって取り上げている。
ほとんどの企業の業務システムがIT化されて久しい今日、企業システム内には大量のデータがたまっている。そう考えると、もはや、どの企業もビッグデータと無関係ではなくなったと言えるが、うまく生かせている例は少ない。
例えば、基幹システムのデータベースに保管されたトランザクションデータなどはその代表格だ。財務会計や取引に関する膨大なデータにアプリケーションで決まった処理が行われるだけで、それ以外の用途にあまり光が当てられてこなかった。このデータを分析することで、取引先の営業攻略法が見出せるかもしれないが、一定期間が過ぎるとそのデータは消去されてしまうケースがほとんどだ。
また、ビッグデータの活用が進まない理由の1つに挙げられるのが、本格的な分析を行うためにはそれなりの投資が必要で、インフラを構築・運用するスキルや、BIアプリケーションを駆使して高度な分析を行うスキルも必要という思い込みだ。
実は昨今、専門的なデータ分析ツールを導入せずとも、マイクロソフトの表計算ソフト「Excel」である程度のビッグデータ分析ができてしまうことはあまり知られていない。
かつては“お手軽なデスクトップアプリケーション”というイメージで見られていたExcelだが、今や、Webブラウザを通じて分析データをグラフ化し、リアルタイム解析を行える「Power Pivot」や「Power View」の登場で、本格的なデータ分析ツールとしての性格を帯びるようになった。簡易的なBIソリューションという役割は十分に担えるのだ。
とはいえ、スタンドアロンのデスクトップアプリケーションであるExcel単体でできることにはやはり限りがある。データやその分析結果の共有、他のシステムやアプリケーションとの連携という“会社全体で活用する”という観点から見ると、機能面で物足りなさを感じるのは否めない。
全社を巻き込んだデータ活用の取り組み、あるいは経営の意思決定に資する情報活用を実現するには、アプリケーション単体ではなく、やはりデータ活用の「プラットフォーム」が必要となる。
Excelの開発元であるマイクロソフトは、こうしたニーズに応えるためのデータ活用プラットフォームも提供している。それも、かつて同社のお家芸であったアプリケーション製品にクラウド技術を掛け合わせた独自の発想で、ビッグデータソリューションを生み出しているのだ。
先に説明した通り、スタンドアロンのExcelをBIツールとして使うだけでは、できることは限られてしまう。そこで、これをクラウドサービスの「Office 365」と組み合わせることで、ビジネスへの効果が格段に上がるのだ。その中核を担うのが「Power BI」という技術。これは表計算ソフトのExcelを強力なBIツールとしても使えるようにする技術群で、Power PivotやPower Viewなどもこれに含まれる。
例えばOffice 365を使えば、作成した分析レポートを社員同士で共有するのがとても簡単になる。Office 365には「Power BIサイト」というポータルサイト機能があり、ここに社員が各自で作成したPower Viewレポートをアップロードすれば、複数のユーザー間で共有できるのだ。
データ分析に長けた社員が作成したレポートがすぐに共有され、他の社員がすぐに確認する――という業務フローを構築できれば、より高度な分析結果を基に素早くビジネスアクションを起こしたり、経営の意思決定を下せるようになるほか、複数の社員が似たような分析レポートを各々作成するという、無駄な労力を省ける効果もある。
「Power BI」と「Office 365」のコラボレーションは、経営会議にも大きな効果を発揮する。
会議が迫り、各部署のマネージャーが発表資料の作成に悪戦苦闘している様子を見たことはないだろうか。最新のデータをその都度取得し、経営層にアピールする数字を中心にプレゼンテーションを作り上げるという作業に膨大な時間を割かれているマネージャーは少なくないはずだ。
Power BIを使えば、サイトにあらかじめ登録しておいたレポートの中から随時適切なものをピックアップすることで、鮮度の高いデータを基にした報告書をすぐに作成できる。マネージャー層の負荷軽減も大いに期待できるだろう。
さらにPower Viewは、Excelベースで大量データの複雑な分析をこなすこともできる。レポートを提示するだけでなく、その場でレポートの経営指標をドリルダウンして、現場レベルの数値まで参照できるのだ。単に経営層への数値報告で終わるだけでなく、課題が見つかればその場で原因を突き止めることが可能となる。
こうした機能を使えば、今まで単なる「報告会」だった経営会議が、本来行うべきアクションプランの検討と意思決定のための場に変わるはずだ。
クラウドの力を使えば、さらに踏み込んだリアルタイムな経営分析も行えるようになる。先ほど紹介したのは、すでに用意されたレポートを使った経営会議の場面だった。しかし「Power Q&A」という機能を使えば、“その場で動的なレポートを作成できる”ようになる。
経営会議で社長が「レポートにはないが、○○の切り口でデータが見たい」と発言したとしよう。通常であれば、意見を持ち帰って新たにレポートを作り直して提出、という流れになるだろう。しかしPower Q&Aを使うと、その場でデータベースの項目を画面に入力し、新たな切り口でデータを分析し、その結果をグラフで表示できるのだ。すぐさま社長からフィードバックを得られることで、会議の効率が上がり、新たなアクションを起こすまでのスピードも飛躍的に早まるはずだ。
項目名も自然言語で指定できるため、一般的なBIツールのようにデータベースの構造や項目名を把握しておく必要はない。たとえ、項目名の一部しか覚えてない場合でも、Power Q&Aが類義語で候補を提示してくれるので迷うこともない。
このシーンの裏で行われているのは、Power Pivotで作成されたデータベースに対するリアルタイムの統計分析だ。最初に紹介した例では、Power Viewで作成したレポートをPower BI側に登録して共有するという使い方だったが、こちらはレポートではなく、その作成元であるPower PivotのデータベースそのものをPower BI上で共有するスタイルだ。
経営会議の場でダイナミックなデータ分析が行われるようになれば、きっと今よりはるかに多くのアイデアや課題解決のための打ち手が、即決できるようになるに違いない。これが多大なコストをかけた重厚長大なデータ分析システムではなく、普段使っているデスクトップアプリケーションの延長上で行えるところもポイントだ。クラウドサービスで手軽かつ迅速に導入できる。
データに基づく経営の意思決定の重要さを理解していながら、今まで手が出せなかった企業にとって、特に試す価値があるソリューションになるはずだ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日