まとめ読み・予想されるWindows 10のリリースインパクトEnterprise IT Kaleidoscope(2/2 ページ)

» 2015年03月20日 11時00分 公開
[山本雅史ITmedia]
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クラウドのADにサインイン

 Windows 10を企業で利用するメリットとして注目されるのは、クラウド上のActive Directory(AD)にクライアントデバイスがサインインできるようになった点だ。この機能により、社内にADを設置しなくてもAzureなどのクラウド上のADを利用して、サインインが可能になった。

 今までクラウド上のADサーバは、Office 365などを利用する時だけだったが、社内のADサーバをレプリケートしたものだった。このため社内のデスクトップPCなどからサインインするには、必ず社内にADサーバを構築しておく必要があった。

 Windows 10ではクラウド上のADを積極的に利用できるようになったことで、社内にあるデスクトップPCやノートPCだけでなく、外出先のノートPC、タブレット、スマートフォンなどからでもクラウド上のADを使って認証が可能になる。社内のADサーバをDMZに設置したり、VPNなどを介して社内LANにアクセスしたりしなくてもよくなる。

Windows 10ではクラウドのAzure上にあるADにログイン(サインイン)できるようになった。モバイルデバイスへ対応するため、ADもクラウド上に置いてログインできるように進化した

 また、Windows 10ではアプリケーションの配布システムがより簡単になった。Windows 8/8.1でも企業独自のアプリケーション配布ストアを構築できたが、System Centerとの連携や構築が必要で面倒だった。Windows 10で企業は自社開発のアプリケーションを自社ストアから簡単に配布できる。既に多くの企業が、デスクトップアプリケーション(Win32アプリケーション)やWebサービスとして配布しているが、今後はアプリケーションがより積極的に利用されるだろう。

 このほかにも新しいVisual Studio 2015を利用すれば、Windowsのユニバーサル アプリだけでなく、AndroidやiOSのアプリも作成できる。複数デバイス向けのアプリケーションを現在よりも楽に開発できるようになっていくはずだ。

企業内でアプリストアの構築が簡単になる。企業でもユニバーサル アプリベースのアプリが増えてくるかもしれない
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