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» 2015年04月23日 08時00分 UPDATE

Enterprise IT Kaleidoscope:モバイル版Officeを考察 iPad、iPhone、Androidタブレットの違いは? (1/4)

MicrosoftはOfficeのマルチデバイス化を急速展開し、WindowsやMacだけでなく、iPadやiPhone、Androidタブレットなどモバイル対応版をリリースした。今回はOfficeの変化について考察していく。

[ITmedia]

Office Mobileから独立

 OfficeはWindows、Mac版などPC用ソフトとして進化してきた。しかし、2014年3月にiPad版Officeが発表され、2015年1月にはAndroidタブレット版のOfficeがリリースされるなど、大きく状況が変わりつつある。

 Microsoftは、これまでスマートフォンやタブレットなどのモバイル向けに「Office Mobile」というアプリを提供していた。Office Mobileは、基本的にWord、Excel、PowerPointなどのファイルを見る(ビューア)という位置付けであり、ファイルの新規作成や編集などの機能が制限されていた。多くのユーザーにとってOffice Mobileは、他社のOffice互換アプリと余り変わらず、それほど積極的に利用されるものではなかった。機能の制約から他社のOffice互換アプリよりも使いにくいといった評判があり、PCで作成したファイルをモバイル環境で同じように表示できない(表示が崩れてしまう)など互換性にも難点があった。

 ユーザーは、PCのOfficeと同じ機能を持つモバイル向けOfficeアプリのリリースを望んでいたが、MicrosoftはPC版Officeと重複するため積極的ではなく、モバイル向けアプリよりもWebベースのOffice Onlineの利用を優先していた。

 だが、サティア・ナデラ氏にCEOに決まった頃から同社の方針が大きく変わり始めた。まず2014年3月に、突如iPad版Officeアプリ「Office for iPad」(Word、Excel、PowerPoint)を発表した(この数年前から開発が進んでいたものの、どのようにリリースするかを前CEOのスティーブ・バルマー氏らが悩んでいたようだ)。

 当初は有償販売する方針もあったようだが、結局はほとんどの機能が無料で使え、一部機能はOffice 365のライセンスを持つユーザーに限定した。当初はファイルの作成、編集もOffice 365ユーザーだけだったが、同年11月にiPhone版Officeアプリをリリースした際に、Office 365のライセンスを持たないユーザーでも作成や編集などの機能を利用できるようにした格好だ。Office 365のライセンスがないと使えない機能はクリップアート関連など非常に少ない。

 MicrosoftがiPad版Officeのリリースをしたことで、タブレットユーザーにおけるOfficeアプリの重要性を認識したことが大きなポイントだ。実際、iPad版OfficeアプリはApp Storeでの公開から数時間で米国では最もダウンロードされるアプリになったことからもよく分かる。

 Microsoftの戦略は、Officeをマルチデバイス対応にして、アプリ自体に課金するのではなく、クラウドサービスのOffice 365をOfficeビジネスの中心に据えるというものに変わっていった。サティア氏の言う「モバイルファースト・クラウドファースト」というキーワードにより、同社はソフトウェア販売ではなく、サービスをサブスクリプションで販売するというモデルに変化させているからだ。

 また、モバイルからPC、サーバ、クラウドまで全ての領域をMicrosoft製品で固めるのではなく、iOSやAndroid、Linuxなどと連携していくようにも変わった。実際にはモバイル領域で大きなシェアを持つiOSやAndroid、サーバ分野でシェアを拡大しているLinuxなどを無視できなくなったというのが本音かもしれない。

 2015年1月には、Androidタブレット版のOfficeアプリ(Word、Excel、PowerPoint)をリリースしている。iOS、Android版のOutlookなどもリリースされ、主要なOfficeアプリケーションをモバイル向けにリリースする方針が明確になった。現在はAndroidスマートフォン向けのOfficeアプリの開発も進められている。

msofmob01.jpg Office for Android Tabletのプレミアム機能(Office 365のサブスクリプションが前提)。普段使いは無償の機能で十分だ
msofmob02.jpg Office for iPadのプレミアム機能。iPad版ではExcelに機能制限(プレミアム機能)がある。ただし、WordやPowerPointのプレミアム機能はAndroid版とほぼ変わらない
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