Windows 10のビルド10061をレビュー、発売時の機能がみえてきたEnterprise IT Kaleidoscope(3/4 ページ)

» 2015年04月28日 07時00分 公開
[山本雅史ITmedia]

カレンダーとメール アプリが追加

 ビルド10061ではカレンダー、メールのアプリ(Universal Windows Apps)が追加された。UIや機能を見ていると、iOS、Android向けに開発されたアプリに近いものが採用されている。iOS、Android版Outlookアプリは、Microsoftが2014年に買収したAcompli製のものが使われているが、Windows 10のメールは現在開発中のUniversal Windows Apps版のOutlookがベースになるようだ。

 将来的にはiOS、Android版のOutlookとカレンダーが、Windows 10版のメールやカレンダーと融合していくようだ。メールやカレンダー アプリは、iOS、Android、Windows 10でほとんど同じ操作性のUIが利用できるようになると考えられる。

ビルド10061で追加されたカレンダー。OneDriveのカレンダーと連携し、クラウドのデータを簡単に引き継げる
新しいメール。OutlookのUniversal Windows Apps版に近いイメージだが、カレンダーなどは別アプリになっている

Webブラウザは「Spartan」がメイン

 Windows 10のWebブラウザは、「Project Spartan」(開発コードネーム。以下、Spartan)とInternet Explorer(IE) 11が搭載されている。今回のビルド10061で感じたのは、メインのWebブラウザがSpartanに移り、IE 11が下位互換性の役割に徹するという変化だ。

 Spartanを見ると、表向きとしては設定項目が非常に少ない。しかし、ChromeブラウザやFirefoxのように、アドレスバーに「about:flags」と入力すれば隠し設定を呼び出せる。特に、今回のビルドではJavaScriptの性能をアップするasm.jsなどを利用できる。

 また、4月のIE向けアップデートではIE 11に下位互換性を持たせるために、IE 7に対応した「Enterprise Mode」が追加された。もちろんWindows 10のIE 11にもIE 7のEnterprise Modeが搭載される。企業ではIE 7ベースのWebアプリケーションなどをIE 11上で互換性を持って動かせるだろう。

 Microsoftは、Spartanで新機能や最新のインターネット規格を取り入れていくことにしている。IE 11は古いIE対応の企業内のWebアプリケーションをサポートするために存在し、将来的にはなくなっていくかもしれない。Windows 8のメインストリームサポートが2018年1月9日に切れ、延長サポートが2023年1月10日に終了する。このことを考えれば、企業は最長でも8年後、できればメインストリームサポートが終了する3年後をメドに、Windows 10を前提にしたマルチデバイス、マルチブラウザに対応できる環境へ移行すべきだろう。

4月のIE 11アップデートでIE 7のEnterprise Modeサポートが行われた。企業ユーザーは「Enterprise Mode Site List Manager」を使って、特定のURLを表示したときはIE 7のEnterprise Modeを使用するように設定できる。
Spartanのアドレスバーに「about:flags」と入力することで、特殊設定が表示される。ここではテストサポートされている「asm.js」をONにする。

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