ニュース
» 2015年05月12日 21時38分 UPDATE

顧客情報の入力が“手間なし”に Sansanのオープン化でビジネスツールはこう変わる

名刺データとビジネスツールの連携で、仕事が効率よく進む世界を――。名刺管理・共有サービスで知られるSansanが、同社の法人向けサービス「Sansan」のAPIの公開に踏み切った。

[後藤祥子,ITmedia]
Photo Sansanオープン化のパートナー陣。左からサイボウズの林田保氏、セールスフォースの保科実氏、Sansanの富岡圭氏、日本郵便の津山克彦氏、日本マイクロソフトの日隈寛和氏

 名刺データとビジネスツールの連携で、仕事が効率よく進む世界を――。名刺管理・共有サービスで知られるSansanが、同社の法人向けサービス「Sansan」のAPIの公開に踏み切った。

 グループウェアや営業支援システム(SFA)、顧客関係管理システム(CRM)、会計、データベースサービスなどを提供する約20社が先行パートナーとして発表され、Sansanを通じてデジタル化された電話番号やメールアドレス、所在地などの名刺情報を、これらのビジネスサービスで活用できるようになる。

 Sansanは、手間をかけずに紙の名刺をデジタルデータとしてデータベース化し、社内で共有・活用できるようにするサービス。人の手を介した正確な名刺データが得られる点や、メディアの人事情報に基づいて名刺を最新の状態に自動更新する機能などが好評を博し、導入企業は3000社超に上る(2015年5月時点)。Sansanの取締役で事業部長を務める富岡圭氏は、今回のオープン化について、「すでに50社を超えるパートナーから『ぜひ(うちもパートナーに)』という話をもらっている。名刺データが持つ価値は大きく、データベース化することで、さまざまな仕事の基盤になる」と、自信を見せた。

sa_sa8151.jpgPhoto 手間をかけずに正確な名刺データベースが得られるSansan(画面=左)。既に20社がパートナー企業として連携サービスの開発に乗り出している

情報入力の手間、一気に解消へ

 Sansanの名刺データベースとビジネスツールがつながることで、現場の仕事はどう変わるのか。分かりやすいのが、SFAやCRMとの連携だ。営業スタッフが案件管理をする際、本来ならクライアントの所在地や担当者の名前、所属、連絡先などの名刺情報を入力するのが望ましいが、忙しさから入力を先送りにするケースも多く、データが不完全なままだったり、そのままシステムを使わなくなったりするケースもあるという。

 例えばこのシステムがSansanの名刺データベースと連携していれば、営業スタッフが交換した名刺をスキャナやスマホで取り込んでサーバにアップロードすれば、あとはSansanを経由してSFAやCRMに正確な名刺データが送られる。営業スタッフはいちいちクライアントの情報を入力する手間が省けるのだ。

 グループウェアと名刺データベースが連携すれば、現場のスタッフが手入力することなしに取引先の連絡帳が作成され、日報や会計ソフトと連携すれば、訪問先の住所を元に手間をかけずに交通費の精算ができるようになる。こうした“仕事をする上での小さな手間”が自動化され、それが仕事の効率化につながるというわけだ。

 さまざまなシーンで業務の効率化が見込めることから、パートナー企業の期待も大きい。日本マイクロソフトのDynamicsビジネス本部長を務める日隈寛和氏は連携の効果について、「最新の名刺情報をCRMに反映できるようになれば、古いままの情報を使ってしまうことによる信頼や信用の失墜を防げる」と説明。サイボウズのビジネスマーケティング本部長、林田保氏は、「(業務アプリ開発サービスの)kintoneを導入している2500社のうち4割が案件管理や営業支援、日報で使っており、顧客情報をどう入力するか悩んでいる」とし、その解決策として期待を寄せる。

 日本郵便で郵便・物流営業部担当を務める津山克彦氏は、「商談で交換した名刺情報から手軽に年賀状や手紙を送付できる環境は、意外となかった。子会社のJPメディアダイレクトを通じて、思い立ったらすぐ、あいさつ状やお礼状を送れるインフラを提供したい」と意気込んだ。

 2年前からSansanとの連携に着手しているセールスフォースのアライアンス本部長、保科実氏は、今回のオープン化を高く評価。クラウドは、企業にとって最も価値があるサービスを自由に組み合わせて、いかにすぐ使える環境を提供できるかが重要であり、「クラウド時代は、ビジネスモデルが1対1のアライアンス型からパートナーエコシステム型に移っている。そこに舵を切ったSansanは、顧客にさまざまな価値観を提供できる」とエールを送った。

sa_sa8156.jpgPhoto Sansanのオープン化で実現するサービスのイメージ。日報と連携すれば、交通費精算の手間も軽減される

sa_sa8159.jpgPhoto 今、いる場所の近くにある取引先が一目で分かるようになり、“攻めの営業”が可能になる

サービス開発者にAPI群を無償で解放

 SansanはB2Bサービスの開発ベンダーに対して、名刺情報を参照できるAPIを提供していく計画で、8月をめどにパートナープログラムへの参加を条件に無償で解放する。当初は、人物や会社のリストの取得、指定したエリアに含まれる会社のリストの取得など、8種のAPI群を公開。以降、パートナー企業のリクエストに応じて、追加要件を検討する。

 APIはRESTful API(Web API)で提供。各種サービスと名刺情報をやりとりする際には暗号化し、安全にデータの受け渡しができるようにする。

sa_sa8169.jpgPhoto 当初公開予定のAPI群とパートナープログラムの概要


Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ