NPD-PWGにおけるステージ1の取組の成果物が、2015年4月に草案が公表された「ビッグデータ相互運用性フレームワーク・バージョン1.0」であり、ドキュメントは以下の6つの章立てで構成されている。
図1は、バージョン1.0の草案で示されたNISTビッグデータ・リファレンス・アーキテクチャの全体イメージであり、システムオーケストレーター、データプロバイダー、ビッグデータアプリケーションプロバイダー、ビッグデータフレームワークプロバイダー、データコンシューマー、セキュリティ/プライバシー・ファブリック、マネジメント・ファブリックが主要な構成要素として示されている。
また、個別領域の具体的なユースケースを重視しているのも、ビッグデータ相互運用性フレームワークの特徴だ。例えば、「M0394: Draft SP 15003 Volume 3: Use Case & Requirements」では、政府機関(4件)、商業(8件)、国防(3件)、健康医療/ライフサイエンス(10件)、ディープラーニング/ソーシャルメディア(6件)、天文/物理(5件)、地球/環境/極地科学(10件)、エネルギー(1件)のユースケースが収録されている。図2は、健康医療/ライフサイエンス分野のユースケース例(病理診断画像化/デジタル病理診断)を示したものであり、Hadoopによる非構造化データの分散処理がベースになっている。
ビッグデータのセキュリティ/プライバシーに関しては、バージョン1.0の草案の「M0395: Draft SP 15004 Volume 4: Security and Privacy」で、以下のような構成で整理されている。
なお、NPD-PWGのフレームワーク策定作業には「クラウドセキュリティアライアンス(CSA)」のビッグデータワーキンググループ(BDWG)からウィルコ・ヴァン・ジンケル氏(Verizon)とアルナブ・ロイ氏(米富士通研究所)が参画しており、本連載第1回で取り上げた「セキュリティ/プライバシーにおける10大脅威」の「インフラストラクチャセキュリティ」「データプライバシー」「データ管理」「完全性と事後対策的なセキュリティ」なども引用されている。現在CSAのBDWGは、ユースケース集「Big Data Security and Privacy Handbook : 100 Best Practices in Big Data Security and Privacy」の策定作業を行っているところだ。
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