高齢化や後継ぎ不足、所得低下が叫ばれている農業だが、農業や食産業の市場規模は依然として大きい。テラスマイルが目指すのは、サプライチェーンのデータマネジメントを通じて農家の所得を上げることだ。
「最近はIoTなど技術的な側面で農家を支える向きもあるが、どんなにいいものを作ったとしてもロジスティクスに乗らなければ売り上げにならない。農家自身がサプライチェーンを意識し、経営の予測ができることが重要だ」(テラスマイル 代表取締役CEO 生駒祐一氏)
基本的に農家は、出荷した作物が販売されるまで自らの収入が分からず、直販でもない限りは自分で値を付けることができないというビジネス上のリスクを抱えている。生駒氏はこれまで200人以上の生産者と意見を交換し、iOS向けアプリ「TeraScope」を開発している。
生産者はアプリを通じて、作物の出荷量や収穫量を入力するだけで経営予測が行える。アプリ自体は3年間無償で農家に提供され、集まったデータに基づいたリポートを農協や行政などの団体に販売するという。「TeraScopeで農家あたりの所得を40%上昇させる」(生駒氏)のが目標だ。
高校の部活や大学のサークル、社会人チームなど、スポーツを趣味として楽しむアマチュアの人は多く、年齢も種目も多岐にわたる。そんなライト層に向けたチーム管理アプリが「Link Sports」だ。
「サークルや社会人チームの大半は、“試合の対戦相手や日程調整などが面倒”“スコアの記録・管理が大変”といった課題を抱えている。紙にスコアを記録して、Excelに転記してWeb上にアップして共有というパターンがほとんどだ。試合会場のレンタル費用やイベント後の飲み会における集金が面倒という声も多い」(リンクスポーツ 代表取締役CEO 小泉真也氏)
Link Sportsではスケジュールや試合のスコア、集金などを管理できる。アプリをインストールしていない人やスマートフォンを持っていないチームメイトにも、PCやフィーチャーフォンのメールで告知を配信可能だ。動画の共有機能や助っ人代行機能、スポーツ用品店とのタイアップでマネタイズするとのことで、年商18億円を目指すという。
また“スポーツ×IT”の世界に小泉氏は期待を寄せる。「スポーツの世界はモノを使うため、IoTと親和性が高い。ゆくゆくはドラゴンボールの『スカウター』のように個人やチームの能力が分かり、自身の運動能力を上げていけるような世界を作りたい」
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