今の時代、スピードに価値があることは明らかです。顧客に「スピード」という価値を提供するため、Tポイント・ジャパンは企業間での業務プロセスの見直しが必須だと考えました。メールでのやりとりが本当に効率的かどうか見直す流れは、今後も多くの企業に広がっていくことでしょう。
さて、これまで全5回に分けて、多くの企業が社内ソーシャルの導入に失敗してしまう理由や、成功するための秘けつなどを分析してきました。導入に失敗した企業をみると「無目的な導入」や「いきなりソーシャルツールを全社導入してしまう」など、「ツールありきのマインド」になっているケースが多々ありました。
これらの罠にはまることなく“社内ソーシャル文化”を定着させた企業の多くは、業務のスピードアップや、関係者間での効果的なノウハウ共有、拠点が離れたメンバーとの一体感の醸成――など、従来のメールでは得られなかったメリットを享受しています。このように部門や組織を超えたスピーディーな連携を実現できれば、多くの日本企業が持っていない競争力を得られることでしょう。
本連載を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
私はグループウェアベンダーとしてさまざまな企業やチームのご支援をさせていただく中で、ITツールの限界と可能性の矛盾を常に感じていました。
昨今、素晴らしいITツールはたくさんあります、デバイスの進化もあり、企業がコミュニケーションのあり方を変革する可能性は格段に広がっています。しかし、必要なプロセスを踏まずにツールの導入を進めたため、一部のメンバーにしか使われず忘れられていく――という残念な現実も多く存在するのです。
ツールはその土台となる制度・風土を整えれば、圧倒的に導入効果が高まります。これまで全5回にわたって連載してきた「企業内SNSの“理想と現実”」の記事が、これからITツールを使ってコミュニケーション変革を起こそうとする皆さまの一助になれば幸いです。
・連載「企業内SNSの“理想と現実”」の記事一覧はこちら
伊佐政隆(いさ まさたか)
サイボウズ株式会社でエンタープライズグループウェア「サイボウズ ガルーン」、業務アプリクラウド「kintone」(キントーン)のプロダクトマネージャーとして大手企業への導入提案、製品企画、プロモーションを担当。企業が直面する「情報共有の課題と価値」について常に考え、経験を重ねている。
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