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» 2015年06月09日 13時00分 UPDATE

マイナンバー対応、一手におまかせ キヤノンMJグループ一体でサポート

キヤノンマーケティングジャパンが、マイナンバー対応ソリューション事業を開始。複合機、セキュリティ、コンサル、人事給与システムなどグループ各社の強みを生かし、全方位のアウトソーシング請け負い体制を構築した。

[岩城俊介,ITmedia]

 キャノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)およびグループ5社は6月9日、「マイナンバー制度」対応のための企業向けソリューションおよびコンサルティング・BPOサービスを体系化し提供していくと発表。2015年6月22日より順次開始する。

 キヤノンMJグループ5社、キヤノンマーケティングジャパン、キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)、キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)、キヤノンビズアテンダ(キヤノンBA)、スーパーストリームが、それぞれの持つ製品やサービス、ソリューションの強みを生かし、「ハードウェア製品とソリューション」「収集・管理ソリューション」「セキュリティソリューション」「コンサルティング・BPOサービス」の4分野に体系化してマイナンバー対応サービスを展開する。「どう対応すれば大丈夫か」の面を企業それぞれの需要や事情に沿って提供していく。

photo キヤノンMJグループが提供するマイナンバーソリューションの概要

 オフィス複合機を軸にしたハードウェアや製品サービス部分はキヤノンMJが販売する製品群とスキャン/OCR技術を、必要な安全管理処置はセキュリティソリューションを展開するキヤノンITS、全国200拠点のサービス・サポート体制の提供はキヤノンS&S、コンサル/BPO運用ノウハウはキヤノンBA、7700社の導入実績を持つ会計・人事給与システムはスーパーストリームが担う。

 中でも、グループ製品で既存導入企業も多い複合機をフロントエンドにしてマイナンバーの本人確認書類を電子化する「収集・管理ソリューション」とマイナンバー対応における業務運用プロセス化を委託できる「コンサルティング・BPOサービス」を中核に位置付ける。

「収集・管理ソリューション」(2015年9月より提供開始予定)

 ICカード認証で個人を特定しながら個人番号や本人確認書類を複合機でスキャン、電子化し、暗号化されたイメージデータをクラウド上のストレージやサーバに格納する。セキュアな環境で保管されたイメージデータと給与管理システム上のマイナンバーを照合することで、個人番号や本人確認を簡単に行え、業務負荷の軽減を支援する。

「コンサルティングサービス」(2015年6月22日開始)

 同社がコンサルタントとして入り、マイナンバー制度に関わる対象業務の洗い出しと課題抽出、解決策を支援する。新たな業務プロセスの構築や運用人員体制の構築なども請け負う。

「BPOサービス」

 業務プロセス(アウトソーシング)を請け負う。サービスセンターで業務運用を代行するサービスと、顧客常駐型で代行するサービスを用意する。サービスセンターでマイナンバーを収集し、本人確認したあと、マイナンバーデータを顧客に納品する。

 マイナンバーの運用形態は企業ごとに異なるため、顧客常駐型サービスを組み合わせることで業務負荷を軽減し、マイナンバー関連業務を総合的に支援できる。

photo マイナンバーソリューションとして提供するサービス範囲


 2016年1月に制度開始、2015年10月より実務が始まるマイナンバー制度対応において、企業は制度の理解や実務準備のためのアセスメントから、制度対応のためのシステム改修、そしてマイナンバーの安全かつ正しい収集と管理、利用、廃棄における安全管理処置とその後の運用まで、多岐にわたる対応と準備を行っていく必要がある。

 まずは最低限、従業員の給与や健康保険、厚生年金などの対応のため、従業員本人や扶養家族のマイナンバーを収集し、適切かつ安全に管理する必要がある。具体的には、マイナンバーの取得、管理、利用、廃棄のプロセスにおいて特定個人情報保護委員会が定めたガイドライン「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に準じ、ルールや運用体制の整備、そして情報漏えいや不正使用の防止といった安全管理処置がマイナンバー法のもと義務付けられている。

 ただ、制度開始まで残り約半年。すべての企業や団体が一斉に対象となる重要な制度ながら、国としての認知訴求施策や情報提供とともに、特に中小規模の企業や団体で制度対応への遅れ、そして制度開始後の混乱や情報漏えいなどの危険性が危惧されている。これから対応をはじめる企業はこの期間ですべて自社対応するのは難しいと想定され、最近は、企業のマイナンバー対応業務を請け負うアウトソーシングサービスが注目されてきている。

 なお、オフィス既存の設備として複合機を応用し、低コストで安全なマイナンバー収集プロセスを実現するサービスにはキヤノンMJグループのほかに、コニカミノルタもサービスをはじめる。マイナンバー対応の安全と確実性を低コストかつすぐ解決できる提案の1つとして、今後需要が増しそうだ。


マイナンバー制度とは

 マイナンバー制度は、2013年5月24日に成立した「マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)」によって、複数の機関に存在する個人の情報が「同一の人の情報である」ことの確認を行うための基盤である。2016年1月に開始する。

 国民一人ひとりに固有の12ケタの番号の「マイナンバー」を割り当て、それに基づき国民の生活や収入など各自の事情に応じた行政サービスの迅速化を図る目的で導入される。主に(当初は)、社会保障制度(年金、医療、介護、福祉、労働保険)、税制(国税、地方税)、災害対策に関する分野に使われる。2015年10月5日よりマイナンバーが付番された通知カードが国民一人ひとりに届き、個々の申請手続きによって個人番号カードが交付される。

 利用機関は行政機関や自治体などだが、社会保障や税に関する帳票や届出への記載に必要な従業員のマイナンバー収集や以後の管理は個々の民間企業、ないしその委託先が担う。例えば、税分野では、税務当局へ申告する各企業が番号の収集と管理を行い、給与所得の源泉徴収票などさまざまな帳票へ記載する対応が必要となる。基本的には、すべての民間企業や団体が当てはまるものとなる。

 マイナンバーを含めた個人情報は「特定個人情報」と定義され、取り扱いが厳格に規定される。これまでの個人情報保護法では対象外(5000件以下)の事業者であっても、それを1件でも取り扱うならばマイナンバー法における「個人番号関係事務実施者」となり、規制の対象になる。罰則も個人情報保護法より種類が多く、法定刑も重くなっている。一例として、正当な理由なく業務で取り扱う特定個人情報を提供した場合「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」が科せられることがある。

 マイナンバーの取り扱いにおいて民間企業は「必要な範囲を超えて扱わない」「情報漏えいしないよう安全に管理する」「取り扱う従業者を教育、監督する」「委託先を監督する」などの義務や責務を負う。具体的にはマイナンバー制度の開始までに、マイナンバーの収集において厳格な本人確認を行うシステム、情報漏えい防止のための安全管理処置を講じること、そのための社内ITシステム改修やポリシーの制定、改訂を行っていく必要がある。データ保護の方法については、例えば「データの暗号化」や「パスワード保護」、そして「暗号鍵やパスワードの適切な管理」を行うようガイドラインで示されている。

 マイナンバー関連業務をアウトソースするにも、その委託先(その委託先の委託先も含めて)が適切かつ安全に管理、運用しているかを自社が監督する義務がある。漏えい事故が発生すれば、自社も罰則の対象になる。アウトソーシングサービスの選定も、マイナンバー法施行に対応した安全、確実な対応と対策手段を設けている事業者かを見極める必要がある。




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