シャープ復活の要へ BtoB戦略と新事業基盤「Visions」に効果アリ?(2/3 ページ)

» 2015年06月18日 21時04分 公開
[岩城俊介ITmedia]

対策と方法:オールシャープで再編を図る“武器”に、グループ共通のCRMを

 「グループ全体でBtoBビジネスを拡大するには、“オールシャープ”で案件情報を共有し、活用できる、標準的な仕組みが必要でした」(シャープビジネスソリューションの近藤氏/同)

 オールシャープで再編を図る“武器”が必要。その武器の1つとなるBtoB事業の情報基盤「Visions」構築計画を急発進させた。

 検討開始は2013年1月。グループの国内営業担当者約5000人を支えるスケーラビリティとオンプレ型でシステムを構築できることを要件に、Microsoft Dynamics CRMベースでの開発が決まった。

 選定に至った理由は、

  1. Microsoft Officeとの親和性の高さ
  2. (包括ライセンス契約があるがゆえの)コスト
  3. 先行事例があったこと
  4. 開発リソースを新規の技術教育なしに活用できたこと

 の4点。2013年5月の選定決定から、社内4人の開発体制ながら2カ月でプロトタイプが仕上がった。社内テストユーザーに対し、業務プロセスのへVisionsを組み込み、ここへデータ入力しなければ次のステップに進めない仕掛けを作るとともに、Visions活用の効果をデータで示すことで、活用に対するモチベーションを高めていく手法で、社内へ浸透させていった。

 「営業部門はそれぞれの営業分野における猛者ぞろいなので、たとえトップダウンで物事を進めても、机上のロジックだけでは納得してくれません。どんな効果が得られるかをデータで示すことが重要。効果がデータで示されれば、営業担当者はすぐに納得してくれます」(シャープビジネスソリューションの近藤氏/同)

photo Visionsにより、全体最適視点でのマネジメント分析を行うプロセスが確立した

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ